千總「鏡花水月」展へ~その①~ CHISO exhibition in kudan house

京都の老舗呉服メーカーの千總さんが、8月に本社1階にオープンされた千總初のフラッグシップ店舗のオープンを記念し、東京でのお披露目として、東京九段にある素敵な洋館kudan houseにて、個展を開催されましたのでお邪魔してきました。


個展のテーマは「鏡花水月」。これからの千總のビジョンということで作られた言葉だそうです!


千總の仲田社長と!
バタバタしていて、お着物で伺えなかったのが本当に悔やまれるのですが、今回の個展の見どころは、千總本店でした拝見できない1点物のきものや、新たに千總さんが本気で取り組んでいるハンドバッグ、ジュエリーなどの新作のお披露目です。


会場へ足を踏み入れると、最初に目に留まるのが階段踊り場にディスプレイされていたスカーフとハンドバッグ。のちに詳細ご紹介しますね!

今回、私を案内してくださったのが、本店にいらっしゃる待木さん。


さわやかナイスガイ!(言い方www)

きちんとお勉強されていて何を伺ってもしっかりした回答が返ってくるという、ご自身の仕事に対する姿勢もそうですが、千總さんの社員教育に関心いたしました。(百貨店やきもの屋さんにお務めだからといって、きものに詳しいかというと、そうも限らないのが残念なところ。きものづくりに携わっている方だって消費者の質問に答えられるかはまた別の問題。)

待木さんのご案内でのスペシャルツアー♪


まず、最初に拝見したのが、地下のフロア。
こちらには、1点物のおきものたちがずらり!

こちらのお振袖、大きな菊が配され大変印象的です。また、地色が水色!振袖でこのお色はなかなかないような気がしますね。こうした振袖をお支度いただけるお嬢様はお幸せですね。


こちらは、千總さんらしい橘が愛らしく配された訪問着。
成人式の後に作られる訪問着としていかがでしょうか?というお話でした。
そんなお嬢様、うらやまし~(笑)。

そして、千總さんが以前より取り組まれている技術の継承としての作品制作プロジェクトで作られたきものたち。まずは、宝尽くしを総刺繍で施した訪問着。


宝尽くしで青海波の模様を作っています。
これはもうびっくり!!一人の職人さんが1年かけて技術のすべてを投じて制作したという一枚。


見て見て!
写真が鮮明でなくて恐縮ですが、それぞれの模様ひとつひとつ、千總さんの方でディレクションされ制作されているそうです。

写真はないのですが、何がすごいって、裏を見てみると、表刺繍とほぼ同じ文様が裏側にも表れているのです。刺繍の技術が高いので、これだけの刺繍が施されているにもかかわらず裏打ちが不要だということ。お値段もびっくりですが、ご覧になりたい方は、京都の千總本店へGOです!


次はこちらの総絞りのきものです。
全体の構図を見ると、波紋が左から右にかけて大きく描かれています。これがすべて絞りで表現されているのです。


寄って見るとこのような模様の集合体!どこを見ても絞り!これは技法の名前を失念してしまったのですが、糸を通した針で生地を縫いくしゃくしゃっとさせたところが防染されてこのような模様が生まれるというもので、杢目絞りの様ですが、ちょっと違うかな。

まず驚きなのは、絞りの方向ですね。これを全体構想に合わせて計算し染め分け、それを1反に染める、、、考えただけで職人さんの頭の中がどうなっているのか!気が遠くなります。こちらも、1年かけてひとりの職人さんが手がけた一枚だそうです。

次は、黒留。


立派な黒留です!!!なんて美しいのでしょう。
私、自分が着ることはほぼないだろう黒留を見るのがすごい好きなんですよ。いろんなきもの屋さんで黒留があればチェックしています。(笑)

黒留も本当にピンからキリまであって、そのクオリティが一目瞭然。お買い求めになるかたは、妥協せず、質が高いものをご購入されることをお勧めします!

話はずれましたが、こちらの黒留は、黒留の柄の定番「宝船」が刺繍で描かれた豪華な一枚。


これまで拝見した宝船の黒留のなかで、一番宝船のお品がよかった!(笑)
また、この鶴の刺繍が見事で、写真ではわかりにくいのですが、立体的で今にも羽ばたいていきそうな、美しい鶴達。

鳳凰が船の先にいるのが見えますか?


この鳳凰の羽は、螺鈿でございます!螺鈿を縫い付けてあるのです。すごいですね~!こちらも、京都本店で拝見できるそうですよ。


九段ハウスは、お庭も美しく、素敵な空間です。
可愛いお菓子とドリンクでちょっと休憩。


後半に続きます!



あこや

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