きものSalon主催「京絞り帯揚制作ワークショップ」at 京絞り寺田〜その①〜

怒濤の京都旅。

今回の大きな目的は、雑誌きものSalon主催の京絞り帯揚げ制作ワークショップへの参加でした!
きもの雑誌主催のワークショップ、しかも2日間がっつりの内容とあって、とても楽しみに伺いました。

帯揚げ作りなので、服装は迷いましたが、初日はきもので参加しましたよ☆
ワークショップの会場はこちらー!

とっても素敵な雰囲気の、京都は船鉾町にあるこちら。

今回のワークショップで帯揚げ作りをご指南くださる 京絞り寺田 さんです。
こちらは古い町家を寺田さんのギャラリー?工房?としてお使いの場所なのだそうですが、もともとは祇園祭に登場する鉾を収納していた町家で、現在もお祭りの期間中はこのエリアの鉾が町家の前につくそうです。

会場は、こちらの2階。

今回の参加者15名程が座れるテーブルと椅子が並べられ、
京絞り寺田の寺田豊さんから京絞りについてのミニ講座がスタート。

こちらが寺田さん。とってもかっこよくて素敵な方ですよね〜。

ご自分の作品をお召しです。おしゃれなきもの!
ここからは、寺田さんによる京絞り講座の内容をご紹介します。
※講義のメモを記載しているので、聞き間違いや誤字などがあるかもしれません。ご了承ください!

☆寺田さんの京絞り講座☆
〜絞りとは〜

世界で一番最初の染色法であり、世界同時多発的に生まれた。
そもそもの意味は、道具を使って色と色を分けることを指し、大正時代後半の化学染料の発達とともに一気に種類が増えてくる。私たちが絞りと言えば思い起こす「総絞り」など、昭和10年くらいまでが最盛期であった。

 

こうした型を並べて染めたものも、絞りのひとつなんですねー☆

〜絞りの種類〜
「絞染種別裂集」と呼ばれる今で言う「絞りのカタログ」に見られるように、様々な絞りが歴史的には存在し、この中のもので現在では再現できないものもある。

寺田さんがお持ちの奥の2種類が、現在、どんな方法で染められたのかまだわかっていないものだそうです。

絞りの手法には大きく「糸で括る」、「糸で締める」、「板ではさむ」の3種あり、
工程としては、図案→型彫→絞り という流れの中で、型彫から絞りまでに10人以上の職人が携わる。

その観点から、寺田さんは、絞りに「作家」という概念はあり得ない、と考えている。

図案を拡大したもの。

〜京絞りの特徴〜
①絹糸で生地をくくる
綿糸で行う場合もあるが、絹糸は染まりにくくしぼがはっきりする。

②帽子絞り
昔は竹の皮を使用していたが、現在はビニールを糸で括り防染する。

③型彫
名古屋には絞りの下請けを担当する工房がたくさんあり、様々な道具を作り絞りに利用していた。

上部の白が美しい絞り、この白がくっきり美しく出るのも京絞りの特徴なのですね。

〜総絞りの反物〜
なんと1反に絞り16万粒と言われている。

こちらは、昭和初期の総絞りのお引きずり。

お客様に再現を頼まれてお預かりしたものだそうです。まさに芸術品!

こうした細かい作業が出来る職人さんが時代とともに消え、幻の作品となって行くのですね。絞りは決して機械的に精巧にできれば良い訳ではなく、人の手で作り出す不規則な味わいが一つの醍醐味でもあります。
そういった意味でも、職人さんの技術の継承が重要なのだと感じました。

ちょっとぶれていますが、寺田さんがお持ちなのは絞った状態の総絞り1反分です。

随分小さくなっちゃうものですよね!
全ての内容をご紹介しきれないのですが、ワークショップのキーノートレクチャーとして、序盤から充実したお話にテンションマックス!

今回のワークショップには、雑誌きものSalonの古谷編集長もいらしていました。
古谷さんからは、ご自分のおばあさまから譲られた白地のお着物を寺田さんにお願いして染め直しと絞りを施したという素敵なお着物のご紹介がありました。

グレーでシックな装いの古谷さん。

さすが雑誌きものSalonの編集長ですよね!まだまだ桜が咲いているピンク色の京都に映えるグレー。素敵な着こなし!

寺田さんがお持ちなのが、鮮やかレモンイエローに生まれ変わったきもの。
地紋の波模様が華やかで、且つ、白い絞りの可愛らしさが際立っていて素敵〜!

ああ!寺田さんにお願いして、きもの誂えてみたくなりました☆
さて、講義に続いては、いよいよワークショップ開始です!!

次回につづく

あこや

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