ない藤モノ語り−50年女将のはきもの史とその未来− その① An exhibition of Naito in Kyoto
10月25日(金)から27日(日)に靖国神社の近くにあります九段ハウスという素敵な洋館で、京都の老舗はきもの店 祇園ない藤さんの個展が開催されました。
今回は、通常の催事等とは異なり、ない藤さんの女将つるこさんの半生を、つるこさん愛用のはきものを「モノが語る物語」として綴った個展という試みです。
私は最終日に訪問したのですが、会場となった九段ハウスが、ことのほか素敵で訪れてびっくり!
戦後はGHQに使用されていたというこの邸宅は、昨年所有者の方が限られた方にのみ貸スペースとして提供する様になったそうで、この洋館とない藤さんのはきものがどうマッチするのか!
ない藤さんは、近年「JOJO(ジョジョ)」という新たなシリーズを展開されたりと、店主の内藤誠治さんの世界観は広がっています。この日は、残念ながら女将は不在でお会い出来なかったのですが、素敵な展示を拝見する事が出来ました。
中では、店主の内藤さんが出迎えて下さいました。お久しぶりにお会い出来た内藤さん。
普段あまり和装のイメージがないのですが、今日はビシッと和装できめてらっしゃいましたね。
まずは地下スペースから拝見します。
女将愛用のはきものがずらりと展示されています。どれも、ない藤さんのお草履だ!という個性的なデザイン。
このお草履、ギョッと目を引きます。これは女将にとって転機となった草履なんだとか。着想は「朧月夜」。ない藤に嫁いで間もない頃、先代(おかみのご主人)との掛け合いの中で生まれたものだそうで、「色はあれば邪魔になる。だから色はないものがよい。」という感覚を始めて理解出来た作品なんだとか。
こういう草履は、すごくない藤さん的なはきものだな、と思います。
こちらは真っ赤な台が印象的。
赤と黒、一見個性的な組み合せのようですが、女将曰く、とびきり使いやすい一足なのだとか!お花見やお孫さんとの遊びにと、使われていた草履のようです。
草履においては、白赤黒は三原色。そのうちの2色を組み合わせたものだから間違いはない選択で、ない藤さんイチオシ!の組み合せとのこと。なるほど、、、こういう類いはなかなか自分では選べないけれど、いつか挑戦してみたい!
こうして、女将の草履を拝見しながら、自分だったらどんな草履をつくるかな、と想いを巡らせつつ会場を歩きます。
こちらは、なんと女将がない藤さんへ嫁いだ日、婚礼の際にはかれた美しい草履です。よくこんなに綺麗に保存していらっしゃったな、と驚きました。
会場は、様々なアーティストの方達とない藤さんとの競演で構成され、かなり意欲的な個展だったかと思います。たった3日しかやらないなんてもったいないな。それに、この個展、あまり知らない方も多かったのではないかなと思います。また別の場所で機会があればやりたい、と内藤さんはおっしゃっていました。
この日は、私もない藤さんの草履でお邪魔しました♪
つづく。
あこや
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