青山八木☆冬講座「きもの、はじめの一歩」〜その①〜 An Aoyamayagi kimono lecture


青山八木さんのコミュニティたまがわで行われているきもの講座「きもの、はじめの一歩」。1月から冬講座がスタートしました。3月までの3回講座です。今回はどんなお話が伺えるでしょうか。すでに、4月からの春講座3回も決定ということですよ!私はなんだかんだ、受講しはじめて1年が経ってしまいます。早いものです!

青山八木の店主 八木健司さん


今日のテーマは「小紋の考え方」です。
このブログを読んで下さっている皆さまは知って下さっているかと思いますが、私は小紋が大好き。小紋はすごく活用出来るワードローブなんですが、今日の八木さんのお話も小紋の活用について盛りだくさんでした。

一部ですが、講義メモです。

■小紋てなに?

小紋というのは、反物の端から端まで柄が配置されているもの、または飛んで柄が配置されるものを言います。やわらかもの(染物)がほとんどで稀に織物にもあります。用途は普段着で、その技法は様々です。

■小紋、その技法

小紋と言えど様々なタイプのものがあります。それぞれに使用される技法も様々です。

  • 型小紋
    型紙を使って繰り返し柄を付けていく小紋です。一般的な技法で、この手の小紋はよく見ることが出来ると思います。



  • 板締小紋(いたじめ)
    板に反物を挟んで染液に付けて染める技法で、板に柄が彫ってあり彫った部分にのみ染液が入ることで、柄のみが染まる、という古代からの技法です。
天平の三原則のひとつ:夾纈(きょうけち)


それに対して、写真の様な小紋は、板締めした柄部分を抜染し模様を出すやり方で染め上げています。 こちらも板締めのひとつ。直線的な柄と繰り返しのパタ―ン、折りジワの筋がいかにも板締め。



  • 絞り小紋
    次に絞りです。


鹿の子絞りなどの絞りのきもの。これは花柄が飛び柄であしらわれています。絞りも、纐纈(きょうけち)といって古くからの染織技法のひとつです。

この様な総絞りのきものも小紋になります。

総絞り

  • ろうけつ

そして、代表的な小紋の技法のひとつ、臈纈(ローケチ:ローケツともいう)です。

ロウで防染して模様を出す


ムラが味わいのローケツ染めです。

■無地感覚の小紋―江戸小紋―


八木さんは、この江戸小紋の中でも、ドレス小紋として使えるものとして定め柄の江戸小紋を紹介しています。
こちらはお召十(めしじゅう)といって、徳川将軍家の定め柄です。

お召十


江戸小紋の由縁は、江戸時代の武士の裃の柄。よって各家でそれぞれが定め柄を持っていたわけです。そして、以下の三つは三大江戸小紋なんていわれたりする三種です。

  • 角通し(かくとおし)
  • 行儀(ぎょうぎ)
  • 鮫(さめ)


角通しは、穴が四角いと言われていて、この細かさに気が遠くなるようです。縦横垂直に点が並びます。

角通し


そして、行儀。点が斜め45度に綺麗に並びます。


角通しに対して、穴が丸いと言われる行儀。角通しが男性的と称され、行儀が女性的と言われる由縁でしょうか。やわらかい雰囲気の江戸小紋を一枚揃えるなら?という質問に「行儀はいかがでしょう」とのお答えでした。

次は、鮫です。江戸小紋の代表格とも言えるでしょう。人気の柄です。こちらは紀州徳川家の定め柄。

講義中の写真が撮れず、google画像検索で


鮫の皮の様なイメージからこの名前がついたそうですが、半円が規則正しく並んでいます。

次に紹介するのが、大小あられ。

薩摩藩縞付けの定め柄 大小あられ


大小さまざまなあられが不規則に並ぶ柄。
講義では紹介がありませんでしたが、これにくわえて縞があります。縞という柄は江戸小紋の人気柄。万筋、や毛万筋という言葉を聞いたことがあるかもしれませんが、縦に細い縞柄が入ったものです。

これらの定め柄小紋は、紋を付けることも出来、紋付になると格が上がります。お茶をやる方は、この紋付の江戸小紋をお召しになる方も多いでしょう。


■いわれ小紋


定め柄でない江戸小紋を「いわれ小紋」といいます。これは、江戸時代、武士だけに着用が許されていた江戸小紋に対し、庶民が自由に柄を考え着用したと言う庶民のセンスが光るものです。ユニークな柄もあって、楽しいものもあります。

こちらは、家内安全の柄。笑


斧琴菊(よきこときく)柄。


鱗文様。鱗は慶弔に使える文様です。

講義は続きます。


あこや

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