青山八木さんレクチャー「きもの、初めの一歩」へ その② A lecture “Kimono A to Z” by Aoyamayagi

青山八木さんによるきものレクチャー。

反物をたくさん見せて下さりながらの貴重なレクチャー!講義メモの続きです。

■染のきものについて

織のきものの次は染のきものについて。織のきものとの大きな違いは、後染めのきものだということ。織のきものは先に糸を染めてから機で織るのに対し、染のきものは先に白生地があってそれを染めていくという制作工程が異なります。

染の技法には、天平の三纈(さんけち)と呼ばれる技法があります。
纐纈(こうけち):絞り染め
﨟纈(ろうけち):ロウケツ染め
夾纈(きょうけち):板締め染め

こちらは、インドやインドネシアなどのバティックという布。白い部分をロウで防染して制作します。

よく見ると、ロウがひび割れたりするために出来る模様が染めに出てそれが味わい深い模様になったりする場合があります。

では、具体的に染のきものを見て行きます。こちらは、付け下げ。

松の模様がシックに入った落ち着いた雰囲気の染のきものですね。お正月に良さそうです。そして、こちらが豪華な訪問着!

おめでたい七宝柄に、扇、文箱など箔使いも豪華な一枚。お若い方向けですね。

次は江戸小紋。江戸小紋も染のきものです。型染めといって伊勢型紙という型紙を使って染めたものです。これは、江戸小紋の留柄の一つである行儀小紋です。

先日、東日本伝統工芸展で伝統工芸賞を受賞された菊池宏美さんの反物ですね。江戸小紋は小紋でもこの定め小紋と言われる行儀、通し、鮫小紋の3種については紋が入れられると言うおきものです。

■染のきもののコーディネート

さて、先ほどの豪華な訪問着にはどんな帯を合わせたら良いでしょうか。
白い帯は人間国宝 北村武資さんの錦織の帯です。美しい〜。

下のカラフルな帯は、立体感のある重厚さが美しい唐織の袋帯です。豪華ですね。

白い袋帯を合わせてみると、色合いもぴったり。

次に江戸小紋はどうでしょう。

左側には、光沢のある桃の文様の袋帯。これは洛風林さんの帯ですね。次は、勝山健史さんの帯を合わせます。同系色で合わせてもいい感じ!

一方、こんな感じは?
塩瀬の刺繍帯を合わせても美しい。手前のシンプルな帯もいいですね。江戸小紋て無地っぽいから帯合わせの幅が広そうです。

江戸小紋の場合、紋が有る無しでも合わせる帯の検討範囲が変わってくると言います。やはり、紋が入ると格式が高くなりますもんね。

また、江戸小紋のダーク系の色目のものは喪服にも使えるので重宝します。最近増えている偲ぶ会といった類いの会には向いているかも知れません。喪服の帯にはなかなか素敵なものがない、という声から、八木さんが勝山さんにお願いして制作したのがこちらの帯。

すごく素敵。これは欲しいなー笑。帯で印象がぐっと変わって面白いですね!

さて、最後にこちら。

これは、八木さんが大好きだと言う沖縄の紅型作家 藤村玲子さんの小紋です。藤村さんは玉那覇有公さんの妹弟子。紅型は、型染めですが色は手挿し。それを考えるとこの細かい琉球王国の尚家の紋「左三つ巴」、大変な作業ですね。

今回ブログでご紹介したものは、ほんの一部。とても充実した講義でした!第2回も楽しみ!またレポートしますね!

あこや

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