染織文化講座Ⅲ 彫金について by 人間国宝 桂盛仁先生 A living national treasure Morihito Katsura -Chokin-

秋の染織文化講座が先週からスタートしました。

初日の1限目は、彫金の人間国宝 桂盛仁先生による講義です。一見きものに彫金?と思われるかもしれませんが、帯留などに用いられる彫金は、きものと仲良しの関係。こうした機会にしっかり学んでおこうと思います。今回は、先生自ら作品をたくさん持参くださり、ガラスケースに入らない状態で直接作品を拝見できる貴重な機会でした。

こちらが、桂先生。ふたりしてなぜか大笑いしておりますが、とってもお優しいチャーミングな先生でした。この前日に志村ふくみさんのトークショーを拝見したりと、この週は人間国宝づいていた私。(笑)

簡単ですが、講義メモです!
●室町時代を最盛期に発展した彫金文化
金属を素材とした金工には、3種類あり、その中の一つが彫金である。
1.鋳金:鋳物という主に仏具で発達。茶釜など。型を作り鉄を流し込み成型する。
2.鍛金:一枚の板から絞る打ち物。圧延した板から立体物をつくる。武具(鎧や花瓶など)
3.彫金:主に装飾用。武具や神社仏閣の装飾など。
装飾を行うために発展した彫金。室町時代(1334年–1573年)の240年間隆盛した後、戦国時代から江戸元禄時代、武士(刀)の台頭とともに、刀を入れる鞘(さや)に飾りを施すようになると自ずと彫金技術が発達し、再び隆盛期を迎える。明治9年の廃刀令まで、彫金は一定の需要のもと装飾文化を築き上げた。
廃刀令により刀装具がなくなり、金工家たちは、花器、香炉、壁面、装身具、袋物、煙管、煙草入れなどの制作へ変化を遂げる。
●きものの装身具としての彫金
帯留として、現在でも愛されている。
先生の作品集を撮影した写真ですが、実際授業では現物を見せて頂きました。綺麗な紅色の帯留「鬼灯」です。これも金属自体の発色だなんて、驚き。


こちらは、今にも動き出しそうなカタツムリ。固い金属からこんなに柔らかい線が生まれるとは。こちらも帯留。

私がよく彫金と言うと思い浮かべるものに一番近かった桔梗の帯留。

こちらはてんとう虫の帯留。この作品のすごいところはこの足。一枚板で全て作ってあるそう。一本一本くっつけている訳ではないのですね!これには多くの関係者が驚いたそうです。

さて、こちらは、香炉。なんとも美しい丸みを帯びた形。カエルの表情もいいですね。

こちらは、棗。これ、実物を持たせてもらったのですが、ふたの部分のみが彫金になっているのですが、ずっしりと重く本当に美しかった。下部の木の部分との噛み合い方も本当になめらかで驚きました。ふたの上部に彫られた源氏物語。雅でした。

こちらも香炉。このふたの部分に注目。これ、一枚板から作られているのだそう!たたいてこんな風に動物の形をのばして作っていくのだそうです。一体どうやって!!

●彫金技術の継承が課題
先日開催された日本伝統工芸展では、彫金の出品作品はわずか2点。一つは桂先生、もう一つは桂先生のお父様のお弟子さんだった方だそうです。桂先生自身も、技術の継承のために彫金塾を開いたり、大学での講師をされたり後進の育成に努めていらっしゃいますが、やはり彫金作家として食べていく厳しさがあるためなかなか手を上げる若者は少ないとか。

先日亡くなられた池田重子さんは、先生も親しかったとか。池田さんの膨大な帯留コレクションは、桂先生自身も先人達の高い技術を学ぶためよく見せて頂いていたとか。今では再現できない技術がたくさんあるそうです。残念ですね。12月末から銀座松屋で行われる池田重子さんのコレクション展、これは必見ですね!またブログのイベント情報でもお伝えします。

もっとみなさんが自由にきものを着て、自由に帯留も楽しんでもらいたい、と先生はおっしゃられていました。きもの文化の衰退は、周辺のあらゆる文化をも衰退させてしまう。それをまた痛感した講義でした。素晴らしい先生の作品に直接触れることが出来、貴重な時間でした!

I had a metal-working living national treasure Morihito Katsura’s lecture about Chokin which is often used for Obidome. His works are very accurate and beautiful. He often uses animals and inscects as motifs of his works such as a frog, a ladybug and a kangaroo which are created very realistically.
Chokin is not an exception from other traditional cutures, Mr Katsura said that he is trying to support young artists who could inherit the techniques of Chokin and also said that you have to enjoy to wear kimono more otherwise the culture around kimono culture would disappear…

 

あこや

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