染織研究家 木村孝先生レクチャー「盛夏のきもののおしゃれポイント」

NHKカルチャー美しいきもののコラボイベント、染織研究家 木村孝先生のレクチャーに今月も行ってきました。

朝からの雨で、先生が30分遅れるというハプニングもありながら、変わらずチャーミングで美しい先生が登場すると一気にテンション上がりました。

この日の先生の装いは、波文が上品な白茶色の紋紗の色無地に茶の刷毛目模様が入った白い帯。

印象的だったのが、鮮やかなコバルトブルーの帯締め。同じ色の皮のハンドバッグとのコーディネートだそうで、とっても涼しげな印象。今日のコーディネートも上品な装い!本当に勉強になります!

さて、レクチャーのテーマは、「盛夏のきもののおしゃれポイント」。以下、講義メモです。

●夏のきものにとって重要なこと
①汗取り
ーさらし木綿を活用
市販の汗取り製品を活用するのも良いが、さらし木綿を2枚重ねて汗腺のある脇下を通るようにピタッとひと巻きしておくと、汗対策となる。デパートで1反1000円程度で購入できるので、お友達と買って分けるとよい。もし、さらし木綿が手に入らない場合は、もらいものの木綿の手ぬぐいなどでも2枚重ねて代用できる。
※首回りなどに、あらかじめベビーパウダー等をつけておくとベタベタしない。

②下着
ー基本的に洗える素材のものを選ぶのがよい。
ー長襦袢は、足袋から出る足首が見えない程度の長さに。あまり短くしないこと。※袷の長襦袢 は、むしろ短くする方が歩きやすい。
ー裾よけや長襦袢も、きものと同様、下前を少し折って上前を合わせると歩きやすい。(体に巻き込まない方が涼しく歩きやすい。)

●梅雨明けにすべき土用干し
土用の丑の日が終わる梅雨明けの頃に、箪笥の中のきものをチェックする意味でも、きものや箪笥の引出しの陰干しをしましょう。直射日光には絶対に当てずに、梅雨の間、カビがはえていないかどうかチェックすること。帯は椅子などに掛けて干せばよい。

●洗える素材
夏は、洗えるきものや下着類が便利。
その代表格である「麻」。麻は、水分がないと折れてしまう繊維。しまうときも、必ず「敷きのし」という霧吹きで水を吹きかけ畳み、平らな板の上などに置いて、上からビニールのテーブルクロスなどをかぶせその上に本などを置き、数時間置く。そうするとピシッと夏の素材のきものが蘇る。
麻の細い細い糸で織ったものが「上布」。
夏は、洗えるいいきものを探して購入するとよい。

●洋服もきものも色は命!
ー帯締め、帯揚げは、まさにきもの姿の「トリミング」と言える部分。冴えた鮮やかな色を細く使うことがポイント。
ーオレンジは、かつて流行った時代もあったけれども、現代のきものにはなかなか使いにくい色。

●仕立てについて
ー上布のきものも、基本的には単衣の仕立てと同じ。背伏をつける。居敷当ては、あまりつけない。
パールトーン加工は、とっておきのきものにのみ施せばいいもので、なんでもかんでもやらない。なぜなら、薬品の関係でしみ落しなどが普段使っている悉皆などでは出来なくなる。なので、お茶会によく着て行く様な類いのきものには、防水スプレーで十分。布製の鞄や普段使いの小紋なども市販の防水スプレーを裾に吹きかければよい。防水スプレーでは色は変わらない。
簡単ですが、今日は質疑応答が多かったので、メモ少なめです。

でも、パールトーン加工のお話は、ちょっとショッキングでした。わりとなんでもかんでもなにも考えずにお願いすることが多かったんです。パールトーン加工をすると反物によっては、色が変わってしまう、という様な噂は聞いたことがあったのですが、シミが落とせないというのは、私にとっては衝撃。もちろん、パールトーン加工をして下さる会社に出せば、しみ落としも可能らしいのですが、、、。

今後は、ものによって検討しながらお願いすることにしようかな、と思いました。
雨の中、受講されてる多くの皆さんが、涼やかなお着物をお召しになっていて、やっぱり夏のきものって良いなと思った一日でした。

 

あこや

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