京都&有松への旅ー華やかな絞り染ー その⑧ A short trip to Kyoto & Arimatsu

皆さま、こんにちは。

ちょっと旅が続き、ブログの更新が滞ってしまいました!先日の有松への旅ブログの続きです☆

 

美しい絞りの数々

お話を伺った竹田嘉兵衛商店さんで、沢山の絞りのおきものを見せて頂きました。なかなか百貨店などでもこれだけ沢山の絞りのきものを見る機会はまずないですよ。貴重な機会でした。

総絞りの訪問着!細かい鹿の子絞りが狂気の沙汰(笑)!

この手前に置いてあるのも全部総絞りの訪問着です。どんだけあるのー!

実は、普段竹田さんにもこれだけの商品が並ぶことはないんだそうです。6月上旬に有松で行われる絞り祭に向け、準備をしていたため、私たちがお邪魔した時はこれだけの種類があった、というわけです。

もちろん振袖も!

これは出来立てほやほやだそうです!

のちほど、説明しますが、かなりクオリティ高い鹿の子絞りによる振袖。絞りの作業をしているのは、いまだに農家や近所のおばあちゃんたちのアルバイトだと言うので驚愕。

昔からの慣習ではあるのですが、絞り手の高齢化は絞り産業を守る上で危惧すべきこと。ある程度仕組みとして絞り手の育成に取り組むなど、産業全体として策が必要ですよね。

そして、この日拝見して驚いたおきものがこちら。なんと手がかかった訪問着でしょう!!

全体としては青海波の紋様になっていますが、この一つ一つが全て絞りで表現されています。

近くで見ますと、大小異なる絞りで扇形が表現されています。全部手で絞ってるんですよー!とんでもない作業です。

非常に美しいおきものでした。

 

鹿の子絞りも様々。。。「白場のダイアモンド」

下記の写真を見て下さい。

2種類の反物が見えます。両者とも黒地に鹿の子絞りを施したもの。いずれも総鹿の子絞り。ですが、よく見ると同じ総鹿の子絞りなのに、印象が違いますよね。

鹿の子絞りというのは、糸で染めたくない部分をつまんでぐるぐる巻きにすることによって防染し、それを無数に並べることで総絞りになります。

向かって左側は、右側に比べて随分白っぽいですよね。これ、何が違うかと言うと、絞ってる時に使う糸が違うんです。左側の白場が多いものは絹糸で絞りをしていて、右側は綿糸。絹糸はつまんだ生地に8回巻き付けるのに対し、綿糸は4回。絹糸で防染するというのは糸が細いため技術的にも大変難しく、完成品は「白場のダイアモンド」と業界では呼ばれるほど、仕上がりに違いが出るんだとか。

お値段も断然この白っぽい方がお高いのです。今は、このレベルの絞りが出来る方が少なくなり、作ることが非常に難しく、貴重な反物になってしまったのだそうです。

いずれにしても、溜め息ものの反物の山に、パワーが吸い取られました。(笑)

 

つづく

 

あこや

 

 

 

 

 

2 Comments

  1. なな子

    2018年6月9日 at 2:05 AM

    突然のコメントで申し訳ありません。
    一連の旅行記を拝見していたら絞りが欲しくなってしまって
    笹加さんの展示会に行ってきました。
    あこやさんのブログですてき!と思った青海波の訪問着や
    本疋田の振袖もありました(これは眼福!)
    が、もう振袖は縁がないので大人な感じの絞り浴衣を。
    着物的に着るつもりです。
    いろいろな技法があって楽しかったです!
    社長さん(前の記事の写真の方の息子さん)も同世代の40代なので
    これからも頑張っていてほしいなと思いながら
    会場を後にしました。

    1. あこや

      2018年6月14日 at 12:33 AM

      なな子さん、
      コメントありがとうございます!
      ブログを読んで下さって感激です♪

      わぁ!展示会行かれたんですね!青海波の訪問着は本当に驚きの一枚ですよね!
      絞りって永遠に女性の憧れだな、と思ってしまいます☆

      絞りの浴衣、素敵ですね♪私も昨年、絞りの浴衣を誂えたので今年着るのが楽しみなんです☆

      同世代の職人さんやデザイナーさんには特に頑張ってほしいですよね。私たちは沢山きものを着ることで応援したいですよね!
      また、ブログ読みに来て下さい!これからもよろしくお願いいたしまーす。

      あこや

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