京絞り 寺田☆草木染めのきものと帯展「葵の想い」へ行ってきました Hollyhock dyeing exhibition Aoi no Omoi

日本橋丸善で開催されていた「草木染のきものと帯展 葵の想い」へ伺いました。

賀茂別雷神社奉納 「葵の想い」。

染の高孝 高橋孝之
絣織 上原晴子
服部綴工房 服部秀司
佐竹機業店 佐竹司吉
京絞り寺田 寺田 豊

と言った方々が葵祭には欠かせない葵の葉で染め上げたそれぞれの作品を賀茂別雷神社に奉納したことを記念した今回の展示。葵染めの刺繍、綴、絣糸の見本、サンプル、生地見本の数々や参加作家の試行錯誤した作品が並んでいました。

久しぶりにお会いできた京絞り 寺田さんと。

寺田さんが葵で染めた絞りのきものがこちら。何とも言えないグリーンと言うかいぶし銀のような独特の色味ですね。葵で染めたきもの自体、初めて見たとお伝えした所、やはり、そうないことだそうです。実は、驚いたことに、葵の葉自体が今危機にさらされているとか。

これが、葵祭で使われる葵の葉「フタバアオイ」。葵祭ではこの生のフタバアオイを5000枚程使用するのだそうですが、長年、京都に自生していた葉を使っていたのが10年程前から、このフタバアオイが京都で一切採れなくなってしまったため、葵祭でプラスティック製の葵の葉を使うかどうか、というほどの状況があったそうです。原因は、シカが食べ尽くしてしまうということ。山の中の食料が環境破壊でなくなってきているからなのでしょう。

そんな中、福井県の鯖江市のボランティアの方々が、フタバアオイを栽培し、現在は上賀茂神社へ奉納されているそうで、なんとか葵祭が滞りなく出来ていると伺いました。こういった状況ですから、神社に葵で染めたものを奉納すると言う話が持ち上がってからも、葵の葉自体が染めるに十分にないため、どうやったら良いか寺田さんたちも考えあぐね、結果、5−6年かけての大プロジェクトだったそうです。

染料にするためにはフタバアオイをある程度の量確保しないといけません。最終的に、鯖江の協力のもの、栽培過程で出る間引いたフタバアオイを大量にもらうことが出来、なんとか染料にすることが出来たそうです。そのプロセスでも、天然染料というのは、植物を採取してすぐに染料にするのが望ましいのですが、鯖江から運んでくるタイムラグなどもあり、保存/輸送も検討を重ね、採取して蒸して冷凍して保存するという方法がとられたとか。いやはや、大変な作業です。

また、葵の葉自体の色出しも、文献をさがしても過去なかったのではないかということで、作家の皆さんも初めてのこと。様々な媒染を試して多様な色を出し、やっと葵の葉に相応しい媒染を見つけ、最終的に作品を染めることが出来たんだそうです。寺田さん自身も葵の葉の現状さえ知らなかったし、改めて葵自体を尊く感じたそうです。

そもそも、なぜ葵が賀茂神社の象徴になっているのかしら、とお聞きした所、
古事記によると、遥か神代の昔、賀茂別雷神社が御降臨を乞い願った母神玉依比売命の夢枕に立たれ、葵を飾り馬を走らせ祭りを行いなさいとの神託を下され、そのお告げに従い神を迎える祭りを行ったところ御降臨されたと伝わり、「葵(あふひ)」は古くより神と人とをつなぐ草と呼ばれている、のだそうです。

あふひ=あふ(逢う)+ひ(日=神)であり、あふひは、神とのご縁を頂ける、人とのご縁を頂ける良縁の紋なのだそうです。葵=あおい=あふひ。

こうしたお話を聞くと、きものにさりげなく入っている葵の文様も、大変意味深いものだと再認識しますね!すごくいい勉強になりました。

会場には、以前染色ワークショップでお世話になった上原晴子先生の桜で染めた美しい紬のきものも。

着てみたーい(笑)
おまけで、丸善の目の前の高島屋さんで現在開催されている「京に生きる琳派の美」展。

こちらにも上原晴子先生の作品が展示されています。

高島屋さんの入り口のお花。池坊。春ですねー!!!!

I went the group exhibition of plant dyeing focused on hollyhock dyeing which is some artists’ project for Kamo-Jinja in Kyoto famous for Aoi-Matsuri.

 

あこや

 

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