染織文化講座Ⅲ 染織家 村上良子先生レクチャー Artist Ryoko Murakami’s lecture

染織文化講座Ⅲ.2回目のこの日の講師は、京都を中心に活動されている染織家の村上良子先生。

村上先生は、染織家 志村ふくみ先生に師事。今年で作家活動40年になるそうです。この節目の年に「日本工芸保持者賞」も受賞され、大変注目を浴びていらっしゃる作家のお一人です。

こちらが村上先生。
非常に細みで小柄な可愛らしい先生で、また、お話しされる口調がお優しく上品!すごく素敵な方でした☆☆☆

今日は、先生が作家を志した経緯や、制作活動について、また先生の制作風景をまとめたDVDを拝見しました。更に、ご自身の作品も3点持ってきてくださっており、その作品についても解説いただきました。


2000年 「蓮池(れんぢ)」

【作家への道】
村上先生の作品の多くは、秋田で過ごした自然に親しんだ幼少時代の影響が色濃く、草木染め(天然染料)にこだわり、色に対する想いが強く反映されています。東京の美術大学でグラフィックデザインを学んだ後、一生続けられる職業を持ちたいと、友禅工房できものの道に入ったものの、化学染料への違和感から、独自に染色の勉強をはじめ、京都の染織家 志村ふくみさんにたどり着きます。

「今でも、はじめて志村先生のアトリエを訪れた時の衝撃は忘れられない」とおっしゃる村上先生。機が5台並んだアトリエの天井近くに竹の竿が渡っていて、そこには染めたばかりの絹糸がキラキラと輝いていたんです!」村上先生、とても嬉しそうにお話しされていました。そこから5年、志村先生のもとで濃密な修業時代を過ごされました。

水玉は水滴のイメージ。微妙な色のグラデーションが絵の具で描いたような滲みまで表現しています。

【植物染料への想い】
植物染料は、「命があるもの」。育つ土地、とれた季節、どの部分を使ったかによって同じ植物でも染まる色が変わってきます。また、とれた年代によっても異なる、と熱く語られる先生。日本には「四十八茶百鼠(しじゅうはっちゃひゃくねずみ)」という言葉があるように、植物の色は無限。染液+媒染剤の掛け合わせで、様々な色が生まれます。

また、植物染料は薬としての効能もあり、肌の弱い方(あせもが出る方)によもぎで染めたきものを織って差し上げたこともあるそう。

1999年 舞堂 藍とやまももの二色染め。緑は藍とやまももの掛け合わせ。

【紬織の歴史】
明治時代、日本の各地で農家の人々が自分達の着るものとして、傷繭や玉繭(双子)を真綿にしてそこから引いた太い糸で織るきものが盛んに作られました。織る仕事は主に女性の労働で、忙しい中でも愛らしい文様や絣をつけた女性たちのたくましさ、想像力は素晴らしいものです。翻って、現代では軽くてしなやかで美しいものが求められ、また、昔のようにくず繭もでないため、細い上等な絹糸で多くの作家が作品を織っています。

2011年 雨月 雷のイメージを直線的な線で表現。はつり織の技法が使われている。

【制作プロセス】
先生は、毎年決まった時期に、雑木林に入り染に必要などんぐりなどを拾うのが常。自然を感じながら、自然の心象風景を表現したいと、そういった思いからだそうです。自ら糸を染めたあとは、いよいよ機を織る準備です。経糸は1210本。緯糸は、小菅(こくだ)に巻いて準備をします。織り色を確認するために、必ず試し織をある程度の長さ行います。先生は、何を作ろうか、という最初のイメージを非常に大切にするそうで、そのイメージを忠実に再現できるよう試し織は欠かせないプロセスなのだそうです。

先生の織色は、計算された美しさ。沢山の色糸を使い複雑な色合いを生み出します。

少し小さいですが、こちらが、今年、伝統工芸展で受賞した作品「仲秋」。作品名の通り、仲秋の名月の季節感が表現されています。グレー2色を沖縄のむーでぃ(杢糸=2色の糸を撚り合わせた糸)にして入れ織っているもので、裂織(さきおり)という伝統的な織の技法で表現されているそうです。

最後に、先生とご一緒に☆

本当に素敵なお優しい先生でした。お会いできて嬉しかったです。ありがとうございました!

I went to the kimono lecture by an artist Ryoko Murakami who won the prize of Nihon Dento-Kogei-ten in 2015.  She studied dyeing and weaving under the living national treasure Fukumi Shimura. It features beautiful natural colour and a graphical design brought by her high quality weaven techniques.

 

あこや

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