弾丸沖縄!染織探訪−大城志津子が追求した染織の美−展 in 沖縄県立芸術大学~その②~

今回の企画展「染織探訪−大城志津子が追求した染織の美−」では、
1986年から沖縄芸大の教授に就任し後進の育成に力を注いだ大城志津子さんが1989年に他界するまでの大学に遺した作品を含め、作品集に収められている作品が多数展示されていました。

染織家・大城志津子(1931~1989)さんは沖縄県に生まれ、高校卒業後東京の女子美術大学へ入学します。そこで染織家の柳悦孝氏に師事。東京での作家活動を経て、沖縄へ帰郷。その後精力的な制作活動を行うとともに、染織資料の調査研究に取組み、伝統織物の復興の功績を残しました。
実際の展示は撮影できなかったので、作品集からいくつか作品をご紹介します。

写真集からなので、実際の織物の再現性はあまりないのですが、
会場に入るとこの多様な織物たちが目に飛び込んできました。

染めの鮮やかさ、様々な織りの高い技術、斬新なデザイン!
ベースの知識がない私にも、「美しい!」ということはわかります。

絹緑地市松花織絣

美しいグリーンが印象的ですが、この複雑なデザイン!一体どうやって織っているのだろう。。。
絹藍染杢糸格子に絣(杢糸とは、織物や刺繍に用いる2色以上の糸をよりあわせたもの)

遠目で見たときの印象は全く別ものでした。女性がまとった美しい着姿が想像できました。
絹黄地ムルドゥッチリ

 

鮮やかな黄色!ムルドゥッチリ…..!? 知らない言葉が目白押し。
絹総花織(表、裏)

リバーシブル??

総花織は両面浮花織とも呼ばれ、裏表両面が使用できるという特徴を有する。経糸に浮いた方を表、緯糸の浮いた方を裏。経糸は縒りのかからない生絹糸を使用することが多い。地色に濃紺を使用しているので、芥子色と白のコントラストがはっきりし、紋様が鮮明に見える。総花織の敷物は作者の熟練した技術と美的色彩感覚が要求される。(作品集より)

多様な織の技法を理解せずしてこの世界のすごさは神髄はわからないな、、、。勉強しようと心から思いました。(笑)

大城さんの作品の何がすごいか。
戦後の混乱の中、沖縄で受け継がれてきた染織文化の緻密な伝統の継承と、デザインなどに見られる積極的な創造性の両立なのかな。それってとっても難しいことですよね。

今回こうした機会に大城さんの作品を生で見ることが出来たことは、大変貴重な経験でした。そして、これまであまり触れることがなかった沖縄の織物について、もっと知りたいと思う良い機会となりました。沖縄弾丸してよかったな!

 

あこや

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