「華やぐ着物」展 at 文化学園服装博物館 A kimono exhibition in Bunkagakuen
先日、新宿にあります文化学園服飾博物館で開催されている「華やぐ着物」展へ行ってきました。
初めての訪問。
立派な建物ですね〜。
開催中の「華やぐ着物–大正、昭和の文様表現」展。
学芸員の方のギャラリートークを聞きながらじっくり拝見しました。保存状態が良い大正、昭和時代のきものがずらっと並び、なかなか面白かった!
戦争が日本の色を奪ってしまった、、、なんて言葉を聞いたことがありますが、大正〜昭和初期の華やかなファッションに身を包んだ当時の装いにはとても興味がありました。
明治維新後、西洋文化の流入や新技術の導入により、生活もどんどんと近代的に変化しました。とはいえ、新しいものは、富裕層から取り込まれるもので庶民に浸透していくには時間がかかるもの。やっと一般の生活者にその傾向が見られ始めるのが、大正に入ってからということになります。
大正時代以降、化学染料の普及と染色技術の向上により、色鮮やかで華やかな着物を大量に生産することが可能になります。また、百貨店の顧客層や女性雑誌の読者層が広がり、多くの女性がお洒落を身近に楽しむ時代になります。「広告」という概念が定着しだしたものこの頃でしょうか。
■伝統的モチーフの洋風化
この帯は、大正時代から昭和初期にかけて制作された夏帯です。モチーフは、バラ。この時代、きものに用いられてきた伝統的なモチーフに変化が見られます。この帯にあるように、バラと百合といった洋花モチーフのきものが大流行したそうです。
この時期に制作された花嫁衣裳の内掛けなどにも、こうしたバラが多用されていました。最先端、だったんでしょうね。
■庶民に大流行した銘仙
会場1階には、大正時代末期から昭和初期にかけて絶大な人気を誇った銘仙が展示されていました。
銘仙というのは、伊勢崎、秩父、といったエリアで主に生産された絹織物で、大胆な文様と斬新な色使いで人々を魅了し一世を風靡しました。大量生産により安価だったことも売れた大きな理由です。当時、日本の女性の6人に1人が持っていた計算になるほどの生産量を誇っていました。
色も柄行も大変に大胆ですよね。 現在の私たちには、なかなか驚きのきものです。
銘仙の大流行には、織元が広告戦略をとったことも大きかったようです。こちらは伊勢崎銘仙の広告。当時、水谷八重子さんという女優さんを登用し、若い女性達の心を捉えたんだそうです。現在と同じですね。
とっても可愛いですよね。 当時の日本人女性の美しさを感じます。
■きものは時代を写す
これは男児の長襦袢です。良く見ると、少年がイギリスの国旗と日本の国旗を振っていたり、馬車や王冠が描かれています。
この他にも、昭和初期の男児の長襦袢では、国威発揚を彷彿とさせる柄付けが合ったりと、ローラー捺染技術の進化でこうした自由がプリントがきものに時代を反映させました。
きものが衣服として、時代を写すものであったことが良く分かります。
日本が明治維新から戦争へと突入していく変化に富んだ時代のきものの変遷を知ることが出来た企画展でした。
2月16日まで開催しているので、是非足を運んでみてくださいね。
あこや
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