高島屋 上品會へ A kimono exhibition of Takashimaya

先日、あこやきもの教室のお稽古の後、生徒さんにお声掛け頂き、高島屋さんのお得意様向けに開催されている呉服の展示会「上品會」に行ってきました。

お教室のお仲間と連れ立ってみんなで会場の目黒雅叙園へ。お教室が終わってから、こうしてお教室のお友達ときもののお出かけしたりするのは、また、お稽古の楽しみでもあります。

会場には、ちょっと浮世離れした、というか(笑)、この上品會の為に職人たちが技を競う様に制作されたものすごい逸品たちが並んでいました。さすが高島屋さんのお得意様向けの催事です。なかなか刺激的でした。百貨店系のこの手の催事は、古き良き時代感が残り、面白いですよね。スタッフの方の人数も半端じゃありません。

展示されているきものや帯は、高島屋さんの呉服売り場にも普段並ぶ事はないものです。こんなの売ってるの見た事ない、、、w 好みはあれど、すごい、、、という感想しかありませんでした。その辺にあるものでは満足出来ないお客様のための会です。お値段も驚きの連続。

その中で衝撃だったのが、本場結城紬の2700万円という反物。説明書きを読めば、6年かけて職人さんが細い糸で様々な絣柄を市松模様に織った作品もので、渾身の作品ということは伝わりましたが、このお値段。

2700万円!

単なる話題づくりでしょうか。これを実際に買って着て下さる方がいらっしゃるのでしょうか。職人さんの技術の高さや希少性は充分理解出来るけど、買われもしない値付けして、意味があるのかな。呉服業界の値付けのからくりはよくわかりませんが、「すごーい!」とおもしろがる前に、ただ単に引いてしまいました。面白くも何ともない。こんな値付けしないと制作出来ない結城紬を憂うばかりです。

買われないものを作るな、という意味ではありません。この価格でも購入される方はいるかもしれないし。そして、技術の保存の側面から、工藝品、美術品として、後世に作品を作り続ける事も作り手のミッションだと思うから。でも、そうなんだとしたら、販売会に訪れる消費者としては、複雑な心境になります。値段なんてつけないで、美術館に寄贈すればいいのに。作り手の方は、自分が作った作品が2700万で販売されている事を知っているのかしら。私が作り手なら、やっぱり誰かに着てもらいたい、と思うような気がするんだけど。宝飾品や不動産と同じようなものと捉えれば、良いだけなのでしょうけれど、でも、着るものだし。100万円という値付けも2700万円という値付けも、根拠の原理は同じなんだろうけれど、なんだかこの日は妙に引っかかってしまいました。(笑)

と、色んな意味で刺激的な会場でした。でも、こういう展示会で、きものをまだまだ買って下さるお客様がいるってすごい事ですよね!それはいいこと!引き続き、こういう場には足を運びウォッチさせてもらいたいな、と思います。

あこや

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