第89回 国展 at 新国立美術館へ行ってきました!
国展というのは、国画会というところが主催する全国規模の公募展の一つです。
なりたちは、HPによると、1918年(大正7年)文展から自由な制作と発表の場を求めて、京都の青年日本画家・小野竹喬、土田麦僊、村上華岳、野長瀬晩花、榊原紫峰、入江波光らは在野としての「国画創作協会」をおこし、その通称を「国展」とした、とあります。
絵画部、版画部、写真部、彫刻部、と連なる中に、工芸部があり、染織などもきものに関係する工芸品の数々もここで発表されます。
今回は、この工芸部の展示をじっくり見て来ました。今回の展覧会で一番いいな、と思ったのは、写真を撮ることがOKだったこと!←そこ!?(笑) フラッシュなしであれば、自由に作品が撮影できました。いくつかご紹介したいと思います。
古澤万千子さんによる「花狼藉」です。
文筆家・白洲正子に見出され、その作風が「即興の詩」と評された染織家・古澤万千子さん。鮮やかな色と柄、友禅染めや型絵染めなど、ジャンルを超えた絵画的な作風が特徴だそうです。
蝶々の染織の細やかさ!なんだか遥か昔の日本にタイムスリップしたような雰囲気がしました。綺麗な色彩ですね。
さて、次はこちらは。
小島秀子さんの「WAVE・spring」。
WAVEを間近で見ると花織がありました。
こちらは、ルバース・ミヤヒラ・吟子さんの「若草首里花織着物 ひな祭りⅡ」。
どのあたりがひな祭りなのかなぁ、なんて考えながら拝見しました。裾の花織部分を見ていると徐々にそんな気がしてきます。
こちらは、根津美和子さんによる「春淡し」。
根津さんは市松模様を得意とされている作家さんのようです。きものに光沢感があり、白いきものが目立っていました。型の部分はブルー、裾はグリーンが効いていました。
あまり予備知識が無い私は、自由気ままに作品を拝見しました。
その昔は、柳宗悦、バーナード・リーチ、芹澤圭介、河井寛次郎、柳悦孝、舩木道忠、柳悦愽、黒田辰秋などなど、近代日本美術の先駆者として活躍した方々が国展に参加され、当時は大変に見応えあるものだったに違いありません。
創立宣言・・・「各自ハ各自ノ自由ノ創造ヲ生命トス」
(要旨) 「芸術ノ創作ハ極メテ自由ナラザル可カラズ」
「本会ハ創作ノ自由ヲ尊重スルヲ以テ第一義トナス」
これは、国展がつくられた時の宣言だそうです。創作活動において自由が難しかった時代、必死で自由であること、創造的であること、が訴えられていますね。まるで命がけで取り組んでいくようなそんな雰囲気さえあります。
工芸とは、常々難しいジャンルだな、と素人ながらに思います。工芸における革新・創造性・自由って現代においてどんなことなんだろう!そんなことを改めて考えさせられた展覧会でした。
一度、ちゃんと勉強しないといけません。日本民藝館も行ってみなきゃです!どなたか教えて下さい(笑)
あこや
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