第5回 日本の織の宝もの 本場結城紬展 at 銀座フェニックスプラザ

きもの好きならば、一度は袖を通してみたい憧れの「本場結城紬」。

結城市の問屋さんなどから成る本場結城紬卸商協同組合等の主催で銀座で行われている「本場結城紬展」へ行ってきました。私たち世代には、なかなか手が届かない高価なきものですが、お勉強のため&目の保養に伺いました。

会場に入ると、ど真ん中に結城紬の大きな展示が!

今回は、職人の方も数名おられ、作業工程を見せて下さいました。
結城紬は、温かくて軽い着心地、独特の風合いが特徴ですが、それは紬を織る糸にあるんです。

これは、真綿掛けという作業。
重層で煮た繭を、ぬるま湯の中で押し広げて行きます。5−6個の繭から1枚の袋真綿が作られます。袋真綿50枚(25匁、約94グラム)で一束になります。

ずーっと水の中に手を入れていて、手は荒れませんか?とお聞きしたところ、
「その逆ですよ!セリシンの効果で手だけはお肌艶艶なんですよ」と教えて下さいました。
絹のパワーですね。

次に、糸紬ぎという真綿から手紬糸を作る工程に移ります。

真綿をつくしと呼ばれる道具にからみつけ、つばを付けながらひねる様に紡いで行きます。一反(7−8ボッチ)を紡ぐのに約3ヶ月と言われています。職人の方が、リズミカルに紡いで行きます。「キュッキュッ」という音が鳴るんです。紡ぐ音、なんですね、これが。
※一秤分の真綿が全て糸になった状態を1ボッチというそうです。

真綿を指先で引き出して作ると、軽く撚りのほとんどない糸になり、しなやかで着心地が良いんですね。また糸が空気を多く含むため、温かいと言われているのです。撚りのない糸で作る織物というのは世界にも類がないそうです。

紡いだ糸で織って行きます。

産地では、材料から仕上げまで、厳しい管理のもので製作され、基準をクリアした紬にのみ「本場結城紬」の証紙を貼って品質を証明されています。地機、高機、平織り、縮織りの4種あるので、購入する際は十分気をつけて買いましょう。

これが一反作るのに必要な繭の数、そして真綿の数だそうです。ひゃー!

糸を紡ぐところから、織り上げるまでの全ての工程は気が遠くなる様な作業。

近頃人気の無地の紬は、むしろ織るのが難しいそう。とは言え、絣模様を織りなす技術も大変なものですし、いずれにしても「本場結城紬」の末端価格がものすごいことになっている理由がわかる様な気がします。

会場では、11の問屋さんが持ち込まれた反物の販売コーナもあり、たくさん拝見させていただきました。素敵だな、と思うものは当然の様に100万円以上。「結城を買う時はよーくお考えになって」と木村孝先生が先日のレクチャーでおっしゃっていたのを思い出しました。笑

日本のきものの様に世界には車が買えるくらいの値段のする装束って他にあるのかな、なんてことも考えながら帰ってきました。笑 以前、実際に結城に見学に行ったこともあったのですが、また改めてお勉強になりました!

この素晴らしい技術が廃れることなく、ずっと受け継がれて行く様に祈るばかりです。

 

あこや

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