長時間立っていられない方への着付け Help disable people get dressed

きものの着付けの勉強には終わりがなく、やってもやっても日々新しい発見があります。

まだまだ、知識も技術も未熟な私。最近、改めて「おもしろな〜」と思いながら、取り組んでいるのが「他装」。

世の中には、たくさんの美容室があり、スーパー着付師の方が星の数ほどいらっしゃいますが、私なりの「美しい着付け」はどんなものなのか、また、それを、きものを着たい!と思っている方に完璧に着付けて差し上げられるか、日々研究中です。

今日は、私がお勉強する方のきもののお稽古の日だったのですが、色々考えさせられるテーマでした。今日のテーマは、体調の優れない方、長時間立っていられない方へきものの着付け。つまり、座ったまま着付けをします。

●袋帯をあらかじめ付け帯のような状態にしておく

お客様にとって、着付けをされている数十分ずっと立ちっぱなしというのは、お年を召した方や体調が優れない方にとっては大変なもの。そこで、きものは腰紐を結ぶところまではお立ちいただき、そこからは椅子に座ってもらい着付けをする、というやり方があります。

まず、袋帯をこのように、付け帯のような状態にセットしてしまいます。
幅出しの折り目がついている袋帯ですと、帯から出る手先が左側にくる京結びになってしまいますが、これは致し方ないですね。ついてしまった折り目を変えるのは不自然ですから、ここはご了承いただかねばなりません。

これがお太鼓の部分。帯枕に帯揚げをかけてお太鼓をつくり、手先も通し、帯締めも通しておきます。こうしておけば、座っているお客様の背中にお太鼓をつけて、帯枕の紐を結び、左側に伸びる帯をお腹に巻き付ければいいだけ。なので、5分もあれば、帯を装着することが可能です。特殊な器具は一切必要ありません。
要所要所をピンチで止め、お太鼓の形が崩れないようにセットしておくのがポイントです。
きもの自体は、腰紐まで結べていれば、衿合わせからは座った状態で何の問題もなく整えることが出来ます。こういった着付けが必要な方は車いすなど、座ったままの状態でお着物を着られる可能性が高いので、上前を深く合わせておくなど、座った状態で美しく見えるかを念頭に、衿合わせ等上半身を丁寧に整えて差し上げます。
ここは、お腹に来る部分。顔の正面に来る部分にはあらかじめ帯板を入れてピンチで止めておきます。
こんな風にすれば、あっという間に礼装姿に変身できるんですね!
ご親族の結婚式当日に、急な体調異変があったり、長年の体調不良等の事情で、長時間立っていられないという場合も。それでも、せっかくのハレの日。きものでお祝いしたいという方いらっしゃいますよね。
きものを着るって、特別なことだし、気分が上向きになることだし、大変でも「着たいわ」と思っていらっしゃる方には、なんとか着付けて差し上げたいものです。きっと、お召しになられたらパワーが出て、美しい自分にまた少し自信を取り戻せるのではないかしら。
このやり方は、帯が短い場合などにも使えるので、覚えておくと便利ですね☆
Today’s kimono lesson was to help disable or sick people who cannnot stand for a while get dressed kimono. Before you start dressing kimono, you must set a previous preparation : putting Fukuro-obi into Tsuke-obi style. If you are ready for that, disable people can sit while dressing kimono.
あこや

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