「森田空美きもの教室」夏の会 特別講義 by 勝山健史氏~その②~A special lecture by Takeshi Katsuyama

特別講義ということで、京都は西陣の織元 勝山織物の勝山健史さんがゲストでご登壇されました。

勝山さんといえば、先日の青山八木での夏の個展が記憶に新しいところです。家業である勝山織物とは別に、勝山健史という個人で作品を世に発表していらっしゃいます。
勝山さんの作品は、現代の風景にすっとなじむ洗練されたデザインとその上質さが、現代女性の心を鷲掴みにしている大きな理由かと思います。このブログを読んでいらっしゃる方の中にも、多くのファンがいらっしゃるのではないでしょうか。そんな勝山さんにお越しいただき、直接お話しを伺えるという今回、森田先生のお教室の会だからこそ出来る企画ですよね!

※勝山さん(中央)と公美ちゃんと。勝山さん、いつもダンディ~☆

さて、一部ですが、レクチャーをご紹介したいと思います。(勝山さん、ありがとうございます)

◆勝山さんのものづくりの原点
日本古来の素晴らしい絹織物の数々。博物館に通い勉強していく中で、昔のシルクと同じものを手に入れようとしても、現代では到底無理な状況があった。そこで、蚕を自ら飼い、絹を生産するところから着手しなければならないと考え、現在は、長野で自ら養蚕を行い、そこで生まれた絹を使って織物を制作している。

◆絹を取り巻く環境、昔と今では何が違うのか
①蚕のエサとなる桑が異なる
現代では、一つの木から大きい葉が沢山取れるように枝ぶりも品種改良されているが、江戸・室町時代は、葉が小さく一株から茂る葉も量が少なかった。
②蚕が異なる
現代では、一つの繭から取れると言われる生糸は、約1600メートル。昔は、繭玉自体が非常に小さく、一つの繭から取れる生糸は、300~400メートル程度と言われている。
③さなぎの処理方法が異なる
現代の主流は、熱風乾燥。糸が均一に取りやすいメリットがある。昔は、日ざらし・塩漬け・蒸殺・冷蔵等の方法で処理された。
昔と同じものを再現したくとも、こうした大きな環境の変化からそれを実践するのは容易ではありません。そんな中、勝山氏は、独自に養蚕を行い(土着の桑を育てるところからスタートしたそうです!すごい!)、最適な蚕の品種を見極め、昔ながらの塩漬けという手法を採用していらっしゃいます。
現在、長野には、約3200本の桑の木と7万頭の蚕が、せっせと美しい絹を作ってくれているんだそうです。なんか、感動ですよね!!!年に2回春と秋に養蚕を行うそうで、8月下旬からは秋繭の養蚕が始まるそうです。春と秋では取れる繭の特性も異なり、そうしたことを計算して育てる蚕の種類も決定されます。

◆塩蔵の効能
繭の塩漬けは、塩を繭にふり、綿布をかけて、また一段繭玉を乗せ、塩をふり、を3段程度重ね、その上に泥をかけてさなぎを窒息させるという手法。1週間ほど経ち、繭を取り出す時には、さなぎは完全に死に水分を出す為、バケツの底5㎝くらいに水が溜まっているそう。繭を洗って風にあて乾燥させ、その後、使いたい糸の特性によってそのまま放置する期間を決めて糸を引く。1年くらい放置することもあるのだとか。長い時間放置すると糸は柔らかくなるが、使える糸の量は減る。
塩漬けした糸は、糸引きした後、糸節が出やすく洋服の糸としての均一感のような美しさは出ないが、時が経つにつれ、どんどん着る人の好むような変化をして行く不思議な力がある。反対に、熱風乾燥させた繭糸は、経年で劣化はしてもある程度美しいが、「なじむ」という変化はない。

◆糸引き
座繰りの引き方には、諏訪式と上州式とがあり、勝山氏は上州式を採用。上州式は諏訪式に比べ、横に糸を引くため、一度に大量に糸を引くことは困難であるが、優しい糸が引けるとのこと。

◆織り上がった帯を、湯に浸け天日に干し、砧で整理する
なぜ、湯につけるのか?
帯は、セリシンが着いたままの糸を使用することが多く、織り上がった帯を柔らかくする為に、水溶性のセリシンのみをお湯につけて落とす。セリシンが残った糸は、身体に合わせてどんどん変化して行く性質を持ち、着れば着るほど扱いやすく身体になじむようになる。

※セリシンがついた糸

勝山織物のHPの反物が出来るまで→http://www.katsuyamaorimono.co.jp/works/index2.html

絹から完成までのプロセスを追ったお話をお聞きすると、本当に気が遠くなるような作業の繰り返し!こだわってこだわってもの作りをしているその姿勢、本当に尊敬します。こうしたプロセスを重ねて私たちのもとに美しい帯が届くのですね。

この日、ゲストが勝山さんということもあり、美しい勝山さんの帯を纏った生徒さんがたくさんいらっしゃいました。次のブログではファッショナブルな生徒さんを本当に一部ですがご紹介したいと思います☆

I was so lucky that I had a chance to hear the special lecture by Mr Takeshi Katsuyama who is the textile manufacturer in Nishijin, Kyoto. He is so particular about the quality of textiles that he raises silkworms at his own sericultural facility in Nagano. I really love his sophisticated design which perfectly matches with our modern city life. The party looked so gorgeous with ladies wearing Takeshi’s obi and in the next blog I ‘d like to show you some of beautiful ladies there.

 

あこや

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