最近やっと興味が出てきた「草木染」の話~その②~

前回に引き続き草木染めのお話です。

自然の色から染め出す草木染め、一番出しやすい色が茶や黄色だそうです。

染料となる自然の材料は、いわゆるアースカラーと呼ぶ様な色味を生む染料だと言えます。化学染料のようなビビッドな色味は非常に少ないため、草木染めのきものや帯は一見地味に感じたりする理由でしょう。

では、そうした茶や黄の染料を一部ご紹介します。
○ヤマツツジ:茶系のグラデーションが綺麗です

○タマネギ:なんとタマネギでもこんなに綺麗な茶系の色が出るんですね。

○キハダ:木の皮ですね。黄色が鮮やかに出ます。

○ヤマモモ:ベージュ系のグラデーション

○アセン:茶系のグラデーション

○ゲンノショウコ:グレーのグラデーション

草木染めの代表的な見本帳を見せていただきました。

ぱーっとみても、グレー、茶、黄、が。。。でも、美しい!
自然の素材から引き出された色とは思えないくらい、力強い発色です。
鮮やかな色味ももちろんあります。

紅花・茜・蘇芳を使用した赤、紫根を使用した紫、藍を使用したブルー。
綺麗な色だな~。

茜は、以前京都で参加した帯揚げを染めるワークショップでも使用しました。このときは、臭木でブルー、梔子で黄色を染め出しました。
絞り帯揚げ制作ワークショップその③

草木染は、染料となる自然の素材と、染めるときの環境条件と、染める人の技術によって染まり方が大きく変わります。つまり、染織家の人たちの個性が出るとも言え、作家性が強くなる訳なんですね。

先日もご紹介した柳崇さんは、青山 八木のご主人曰く、「染めの名手」。柳さん程、草木で鮮やかで多くの色を使いこなせる染織家はそうはいない、とのこと。柳さんの人気の秘密ですね。
レクチャーでも染織家の志村ふくみさんのご紹介がありました。

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日本の色の名前って皆さんはどれくらい知っていますか?

赤、ピンク、青では表現され尽くせない様々な色を表す言葉を日本の色は持ってます。
私はよく、和色大辞典というサイトを参考にするのですが、例えば、グレーと言っても日本の色では色味によって表現の仕方も多様。

グレーは日本の色では「鼠(ねずみ)」色と表現されますが、その色彩によって
薄鼠、薄雲鼠、葡萄鼠、利休鼠、薄梅鼠、暁鼠、牡丹鼠、藤鼠、錆鼠、などなどたくさんの色の名前が存在します。

そもそもなぜこのような多様な色彩それぞれに名前を持つのか。
自然が豊かであらゆる材料から色を染め出そうと考えた日本人にとって、それは自然のことだったのかな、と思います。それを裏付けるように、日本の色には素材や自然の中にイメージするものからつけられた名前がたくさんあります。

○花の名前
ぼたんいろ、さくらいろ、すみれいろ、菜の花いろ

○鳥の名前
とびいろ、ときいろ、うぐいすいろ、ひわいろ

○草木の色
萌葱いろ、亜麻いろ、裏葉いろ、松葉いろ

○ものの色
たまごいろ、ぞうげいろ、さんごいろ、せいじいろ

プリミティブな技が生む自然な色が魅力の草木染。
染織家の手を通して生まれる作品をたくさん見て、自分が好きな作品を見つけることでもっと興味を持って触れることが出来る気がしますね。自分がどんなものが好きと感じるのか、まだ未知な部分もあり、これからが楽しみです!

 

あこや

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