日本染織文化振興会主催レクチャー:着物スタイリスト江木良彦さん&昭和村「からむし」について〜その①〜
日本染織文化振興会というところが主催する染織文化講座にはじめて参加しました。
場所は、渋谷にある文化ファッションインキュベーション。
以前から、面白そうな講座や産地見学などがもようされていたので、時折チェックしていたのですが、今回、着物スタイリストの江木良彦先生の講座があるということで、即申し込み!
この日は、
・江木良彦氏によるきもの流行史
・昭和村の生産者による「からむし」
という二本立ての講義でした。
こちらが江木先生!御年76歳。
普段お仕事のときは洋装ということですが、今日は私たちのために和装で。縮のお着物だそう。
江木先生といえば、着物好きな方なら誰もがご存知だと思います。
先生は、着物研究家の大塚末子氏に師事し、その後松竹の衣装部に入社にされ、独立。現在のキャリアを築かれてきました。
多くの舞台や広告の中でのきもの衣装に関わられてきた大御所。
私も広告業界に身を置いていますので、今回の先生のレクチャーは手に取るように状況がわかり非常に興味深く聴かせていただきました。
実は、私の妹が女優をやっているご縁で、かなり昔の私が着物にまだ興味もなかった時代(笑)から、先生のことはよく存じ上げていましたので、今回は久しぶりにお会いできとても嬉しかったです。
先生の手掛けた作品は、数えあげたらきりがありませんが、私が一番好きなのはこちら。
先生もご自分でおっしゃられていましたが、多くの方が触れている先生の作品の一つ「伊右衛門シリーズ」です。この時、宮沢りえちゃんと宮﨑あおいちゃんが着ている浴衣は、京都 千總さんでこのために特注で制作したものだそうです。
初めてこのCMを観た時、ふたりの浴衣姿のあまりの可愛さに、そして帯結びの愛らしさに目を奪われました。
先生の手は、魔法の手。
女優さんそれぞれの体型や肌の色、雰囲気に合わせて、驚く程美しい着姿にしてしまうのです。
講義の中では、こちらのCMが紹介されました。
きもの姿の日本女性って美しいな、と思いますよね。もっと多くの人に着物を楽しんでもらいたいと、心から思いました。
こちらは、先生が教室に持ち込んで下さった二枚重ねの着物です。
昔は、こうやって二枚重ねて着ることがあったのだとか。。。現在の留袖に比翼がついていたり、重ね衿(伊達衿)はこの名残なんだそうです。
写真右側が最初に着る一枚目。背中の辺りが絞りの柔らかいものに切り嵌めされていますね。暑いからだそうです。こういうのも今では、なかなか観ることが出来ませんし、知ることが出来ません.。
江木先生と仕事をしていた妹曰く、先生に聞いて答えが返ってこないことはない、というくらい、どの時代にどんな身分の人がどんな装束を着ていたのか、そしてその着付けが全て頭に入っている、と。素晴らしいですね。
先生に発注できる女優さんはなんてお幸せなの。
先生がお元気な限り、たくさん作品を拝見して勉強しようと思いました。
あこや
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