染織研究家 木村孝先生レクチャー『今、次世代へつなぐ想い きもの春秋』発売記念講座~その②~

木村孝先生のレクチャーの講義メモです。

○色について
きものにとって、色は大変重要な要素であり、一番面白いものである。
洋服には形というデザインがあるが、きものは、全て形が同じですから、どんな色を選択するか、は着る人にとって大変重大な決断である。

~長襦袢の場合~
明るくて薄色を選ぶ方が多い長襦袢ですが、薄くてもいいが「冴えた色」を選ぶことがポイントである。少しくらい濃い色を選んでも良いぐらい。長襦袢はちらっと見える袖口を明るく見せる効果があるため、冴えた濃い色をもってくるのが楽しい。

孝先生の長襦袢のおしゃれには、私は大注目していて、だいぶ参考にしています!
先生の袖口から見える長襦袢の色の美しいこと!先生に出会う前は、長襦袢は薄色がいいのだ、と決め込んでいたところがあるのですが、最近は思い切った色を選んだりしています。

~きものは何色を選べばいいの?~
きものを買うときには、自分の好きな色、着たい色を選ぶこと。
あと10年は着たいから、ときものは地味目の色味を買う傾向があるようです。今の時代、今着たい色を着れば良い!

ただし、お嬢様が着るようなものを40代、50代で着てはいけません。
年齢層は考えた上で、明るい冴えた色を選択すること。

この日、グリーンのきものを着ている方が会場からピックアップされ、先生によるアドバイスがありました。私もその一人だったのですが、今日の私の装い。

このブログに何度か登場している母の総絞りのきもの。仕立て直しをしていたのですが、やっと袖を通すことができました。昭和っぽくなるかな、と思っていたのですが、意外に大丈夫…?だったかな。

冴えた色だけれど、やはりかなり派手な色味なので、年齢とともに着る機会は減るだろうな。

○お召しについて
西陣の矢代仁(やしろに)で有名なお召。
特有のシャリ感があり、しわにならず、裾さばきがよいためお茶のお稽古着等に最適である。

糸を精錬してのりをかまして染める。よって湯通しをしないと固い。お召の場合は糸に「のり」を使用するが、結城は「ツバ」をつける。最近のお召しは縮まないので、雨の日に着ても大丈夫になった。

価格も質もピンキリ。10万円くらいから250万位するモノもある。
ジャガードで織ったものは美しく、光沢がきれい。
お召はリバーシブルである。

○紋について
昔は振袖にも紋をつけたもの。

皆さんも1枚はお持ちでしょう一つ紋のきもの。実は大変便利なものである。
3つ紋になると、かなり格が高く、お茶会用に1枚あるとよい。

昔は、訪問着に三つ紋をつけたものであるが、現在では紋がないものも多い。だが、冠婚葬祭に於いては、一つ紋をつけたものが望ましく、訪問着も同様。3つ紋もかなり出番が多い。

孝先生は、色留も三つ紋をつけており、お茶会、結婚式、お祝いのパーティでは重宝する。
5つ紋は、かなり格調高く、お茶会用。
紋付が嫌になったら、仕立て直せば良い。

ちなみに、紋はご存じの通り、染抜き日向、陰、刺繍などTPOによって適切な種類があります。それらも先生のご本に詳しく掲載されていますのでご参考になさってください。

最後にきものは、きもの自体が評価されるだけでなく、着姿が評価される。よって、きものを着ている私たちには、大変な責任を伴う。美しくきものを着て、世界中の男性を振り向かせましょう!
最後の孝先生のお言葉、最高でした☆

講義後、素敵な帯をされていらっしゃる方がいました。孝先生が「皆さん、ごらんになって!多くの方の憧れの作品です」とおっしゃられていたのがこちら。加賀友禅 由水十久さんの作品。

加賀友禅の特集には必ずと言って良いほど、名前と作品が紹介される有名な作家さんなのですね。

恥ずかしながら、加賀友禅に無知な私は存じあげず。しかしながら、繊細な絵付けがすごい!の一言。

写実的な草花模様が中心の加賀友禅の中で、模様としては最も扱いにくい題材とされる人物画を好まれ、特に童に対する思い入れが強かったようです。

お値段もびっくりだそうです☆

こうした会で、いろんなきものを拝見できるのはとても勉強になりますね。

 

あこや

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