染織文化講座「唐桟織見学と長板中形染体験」~その③~ 館山唐桟織 Tozan-ori by Yuhu Saito

糸を染める工程を実際に見せて下さいました。

今回は、ヤマモモで木綿糸を染める工程です。

これが、ヤマモモの染料。これを染めたい色に合わせて水を加えながら調節していきます。

唐桟織ではこの染料の加減の見極めを舌で判断するのが特徴です。齊藤先生は、どの色がどの味というのをすべて記憶していて、味覚で調節していきます。

これが調整後の染料。私も、調整前後でテイスティングさせてもらったのですが、渋みが口に残る感じから、調整後は、やや甘く紅茶のような味わいに変化しました。

カブト鉢に、染料を入れ、木綿糸を浸しジャブジャブと染めていきます。染める時は、火にかけて煮る方もいるそうですが、齊藤先生は、木綿の油が抜けすぎちゃうため、それを行わないそうです。

絞ったら、空気に触れさせ酸化を促します。その後、石灰を入れたバケツへ。

石灰へいれると、石灰を含んだ部分から、パッと明るい緑色になっていきます。思わず見学していたみんなから、声が上がりました。

左上から横に順番に見ていくと、石灰につけ、徐々に鮮やかなグリーンに変化していくのがわかります。

また、石灰につけ終わり絞ったあと、空気に触れさせていると、また、あっという間に色が落ち着いていくのがわかります。

再びカブト鉢へ入れ、染めていきます。

石灰へつけるのは一度だけ。それ以上やると糸が痛みます。染める色は最初から決めているのでそれに合わせて、染めの作業を重ねます。

よって、あ、この色もなかなかいいから、この辺でやめておこうかな、といった事はなく、味覚で調節した色を出すために計算尽くされた工程をやっていきます。

そもそも、なぜ味で色を記憶しているかというと、例えば今回のヤマモモ。染料として手元にあるものが、日光によく当たった部分なのか、そうでないかはわからない。それによって色の出方が異なる場合、味で記憶するのが確実、といった具合だそう。

職人技を垣間見ました!

Mr Saito showed us how to dye cotton yarn with bayberries.
1.  Prepare bayberries and add water for making up  the color. Mr Saito memoraized the colour with its taste so he tasted the liquid  whenever he add water.
2.    Put the colour into the vase and dip yarn in the liquid.
3.    After first dipping, soak yarn into limewater for mordanting.
4.    wring the yarn and repeat dying couple of times.

つづく

あこや

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