紗合わせのお誂えに同行♪ Ordering Sha-awase!

皆さんは、紗合わせ、というきものをご存知でしょうか?

かなりのきもの好きな方でもお持ちの方は少ないような印象を受けていますが、一度は袖を通してみたい憧れのきもの、ではないでしょうか。

先日、お友達が紗合わせのお誂えをすると聞き、一緒に同行させてもらうという幸運に恵まれました。なかなか見ることが出来ない機会!一部ご紹介したいと思います。

紗袷わせというのは、「無双」とも言われ、きものを2枚重ねて着ているように見えるきもののことです。さて、これがなぜきもの愛好者の憧れのきものなのでしょうか。

☆紗合わせ☆憧れポイント☆

その①~盛夏の前、6月の約1か月という短い期間しか着ることのない贅沢なきもの~
単衣の時期ともかぶりますが、5月の日差しが強くなってきた頃から6月いっぱいまでのこの短い季節に着るきものとして楽しみます。最近は秋口に着る方もあるようですが、もともとは、盛夏の前のまさに今の時期に楽しむおしゃれ。この時期しか着られない!そのためだけにお誂えができる、なんて方は、やはり一握りなんでしょうねぇ。うらやましい限りです☆

この短い時間を楽しむ、というのは日本人が持つ感性の一つと言えると思います。

その②~表地の向こうに見える美しい景色を楽しむ~
紗合わせは、その名の通り、紗を2枚合わせたきもの。(下に来る反物は紗でない場合もあります)

ちょっとわかりにくいですが、これは紗合わせの裾部分。ブルーの表地からうっすら観世水と紅葉が見えますよね。一反には柄を描きもう一反は無地に染め、柄の方を下に、無地の方をその上に重ねて仕立てます。それによって、下の柄を上の無地の紗から透かせて見せるというものです。

紗がモワレのように下の地の柄を浮き立たせています。これを着て歩くと、このモワレ効果でよりこの波の模様がゆらゆら揺れて、浮き立ってくるというものです。

これが裏から見た写真。2枚目に浮き立たせたい図柄を描くのですね。友禅です。
このきものの場合は、2枚目の地色は白ですが、この地色の色自体も、表から見える重なりを想定して色を決めるのです。つまり、色と図柄を2枚重ねたうえでどう見えるか、、、を検討しながら誂えなければいけない高度な遊び心と想像力が必要とされるお誂えなのです。

友人のお誂え用に上がってきていた図案です。見本のお着物と同様、流水に青紅葉です。初夏にピッタリの図柄ですね。それによーくみると、、、

葉の先が少しだけ紅くなっているもみじが、、、!可愛らしい!このきものに、色を染めた無地のきものを合わせるのです。

色味本も参考に、上の無地を何色にするか検討します。かなり!想像力が必要!!これは難しい!

ちなみに、これはまた別の紗合わせ用の下用の反物。友禅が描かれ一部刺繍も。

思い切り見せるわけではないけれど、ちらりちらりと存在を感じさせるためだけに描かれた模様です。贅沢ですね。。。やはり!

紗合わせは、お仕立ても技術がいるので、おそらくどの呉服屋さんも袷のお誂えよりも高いお仕立て代を設定されていると思います。それだけ手もかかるわけなので、その意味で、とっておきの一枚になるのは間違いありませんね。

いつか、お誂えしてみたいな~!
一部ですが、制作工程を垣間見ることが出来て幸せでした♪友人に感謝しなければ!

Sha-awase is a beautiful kimono for early Summer which we can wear for just one month in June. Even if you are a kimono lover, you can rarely see or have it. I was so lucky that I can see the process of which my friend ordered Sha-awase the other day.

 

あこや

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