着物探訪☆沖縄・芭蕉布の旅〜その⑤〜

芭蕉布の制作工程を体験するワークショップのDAY1。糸芭蕉畑での作業について解説しています。前回の続き。苧剥ぎで4つのパートに分けられた糸芭蕉の茎がこちらです。

Google Arts&Culture 京都女子大学生活デザイン研究所より

右から 、外側より順に「うわーはー(上皮)」、帯地用の「なはうー(中苧)」、3番目の最も上質な「なはぐー(中子)」は着物地に、中心部は「きやぎ」といい主に染色糸に、用途によって分けられます。

触った感じは結構しっかり固めの手触りで、見た目は長ネギの様。この時点で白くて瑞々しくて美しいですよね。

さて、糸芭蕉畑を後にして、次はランチタイム★喜如嘉の公民館で参加者へのオリエンテーションもあわせてのランチミーティングです。

事務局の皆さんがご用意してくださっていたのがこちらのお弁当。大宜味村にある笑味の店(えみのみせ)というお店のもの。すっごく美味しかった!島野菜などの地のものを使ったおかずは、味付けが優しく、体に良さそう!で滋味深い味わい。ちょっと感動しちゃいました!

ランチ後は、芭蕉布会館へ移動!

今回のレポートでやっと登場な私。(笑)ひどい格好ですみません。本当に私が行っていたのかもわからないくらい、人が誰も出てこないレポートになっていますが、私、ちゃんと行ってきました!

毎日すっぴんに近い状態で作業していたので、本当にブログに載せられる写真が皆無で。。。一応、私頑張ってきましたので証拠としてこちらをアップさせていただきます(笑)。

Ⅲ.苧炊き

苧剥ぎして4つに分けた糸芭蕉は、苧炊きという工程に進んでいきます。組合で長年苧炊きをされている方の作業を見学させていただきました。

苧炊きをする平良敏子さん(喜如嘉の芭蕉布保存会冊子より)


大きな鍋に木灰汁を沸騰させ、大縄を底に敷いて、その上に束ねた原皮を重ねて煮ます。目的は繊維が採りやすいように原皮を柔らかくすること。この柔らかくする塩梅が非常に難しい。良い塩梅に煮えるかどうかは、木灰汁の加減と煮る時間。その日の天候によっても異なるし、採れた畑によっても。原皮の性質は異なるので、それぞれの状態を確認しながら、職人の皆さんの長年の勘に頼る、とても難しい仕事です。

木灰の量で鍋の中のアルカリ度が変わります。アルカリ度が強いと繊維が切れてしまうし、弱いと逆にいくら時間をかけても原皮が煮えないため、4種類に分けた苧は、繊維の強度がそれぞれ異なることから、別々に炊いていきます。ベテランでもpH値(アルカリ度)を確認しながら最後まで気を許せない工程です。

モクモクと湯気が立つ中、作業場が何ともいい香りに包まれます。カラメルが炊かれるような、香ばしいと表現すれば良いのか、これが糸芭蕉の香りなのかな。

つづく


あこや

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