着物探訪☆沖縄・芭蕉布の旅〜その⑨〜

Ⅵ. チング巻き &Ⅶ. 苧績み(うーうみ)

お腹もいっぱいになり、午後の作業です。

大宜味村HPより

午後は、いよいよ!苧績みといって、苧引きした繊維を細く裂いて、1本1本を繋げ細い糸にしていく作業に入るのですが、その前にチング巻という作業を行います。

チング巻をする平良敏子さん (喜如嘉の芭蕉布保存会冊子より)

苧績みする時には、繊維を水に浸した状態で作業をするのですが、この時、繊維が長いままで水に浸すのは作業がしにくいため、繊維を2、3本ずつ巻いて、こぶし大の鞠型に、それを水に浸して作業を行います。その鞠型の繊維の束のことをチングといいます。この時、繊維に色のついたものや硬いものは分けておきます。

これが、私が巻いたチング。親指を軸にしながらリズム良く回転させていくことで、綺麗な鞠型になるはず。。。なのですが、これがまた難しい!
チング巻は、あくまでも苧績みのためのプロセス。編み物をする前に毛糸を丸く毛糸玉にするようなイメージ。よくよく考えられた作業工程です。

さて、チング巻が出来たら、いよいよ苧績みです。
チングを水に浸し、 (お茶碗にお水を張ったところにチング巻をポンと入れておきます。 )軽く絞ります。片手に小刀を持ち(私達は糸切りバサミ)、用途に応じて太さを決め、繊維を裂き 細くなった繊維同士を 根と先を順番 に「機結び(はたむすび)」という結び方で繋げて行きます。 制作工程の中で最も経験のいる作業です。この作業で、糸の細さが決まるので裂く作業は慎重に。

繊維は、端から裂いていくのではなく、真ん中に指を入れて中央から端に向けて裂いていきます。織るものにあわせて糸の細さを加減するのですが、私達は、コースターを織るために苧績みをしたので、着尺用ほど細くする必要はなく、午後いっぱいの時間を使って小さなチング巻3つ分くらいの糸を績むことが出来ました。

しかし、この機結びをした糸、しっかり引っ張っても全く切れない!すごいー!結び目が大きなダマにならないように、結び目のあまった糸は、結び目ギリギリでハサミでカット。 ひたすらひたすらこれを繰り返し。。。

疲れた!(笑) 熟 練者でないと均一な糸を績むことはでき ないし、約22,000回つないで着尺1反分の材料ができると いわれているそうで、 またもや途方もない作業に心折れそうになりました。

でもですね、私は好きでしたね、この苧績み作業!今回、いろんな作業をした中で一番好きだったかも!黙々と淡々と、この集中できる時間がなかなか良かったです。

ちなみに、私が苧引きした繊維の束がこちら。

これをチング巻して、水に浸けて、裂いて苧績みして、糸を作っていくんですね。績んだ糸は、一旦、大きな籠に入れておくのですが、その籠も素敵でした。

つづく


あこや

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