沖縄への旅☆琉球の織物を訪ねて☆染織家 上原美智子先生~その⑦~ Discover the okinawa weaving

さて、お昼をとって次に向かったのは、染織家 上原美智子先生の工房!
先生とは約2年ぶりです。

前回お会いしたのは、青山八木さんで個展をされていたとき。
以前のブログ⇒青山八木「まゆ織り工房 うずりん展 上原美智子 屋宜奈緒」へ行ってきました!

この時に見せて頂いた、上原先生制作のあけずば織は強烈に印象に残っています。
工房を訪ねますと、先生が笑顔で迎えて下さいました〜。


※工房前で、上原先生と愛猫の繭ちゃんと

上原先生、お変わりなくお元気そうで良かった!

【上原美智子先生ってどんな人?】
沖縄県那覇市に生まれ、学生時代を過ごした東京は駒場にある日本民藝館で沖縄の染織の魅力を知り、染織家 柳悦博氏に師事。その後、染織家 大城志津子氏のもとで沖縄の伝統的な織物の技法を学びます。1979年にまゆ織工房を設立。

※ご自身の織られた、あけずば織を前に。

上原先生といえば、あけずば織。
あけずば織とは、1本の糸の持つ繊細な美しさに魅せられた先生が作られた織物で、蚕が吐き出した糸そのままの極細の3デニールの絹糸を用いた極上の薄布。通常、絹糸というのは、蚕が吐き出した糸を何本も撚って1本の糸とするのですが、上原先生は、吐き出されたままの、肉眼で見えるか見えないか程の細い糸で織り上げるのです。

「あけずば」とは、「トンボ(あけず)」の「羽根(ば)」を意味する沖縄の古語。トンボの羽のように、透けるほど細くて軽やかな織物があけずば織なのです。

※あけずば織のショールを見せて下さる先生

どうでしょうか。こうやってひろげてみせて下さるとよくわかりますよね。向こう側が透けてくっきり見えてしまうほど、薄いんです。このショールは3デニールの糸を使ったものではなく、15、30デニールといった(それでも極細)糸で織ったもの。「透明の布」のようです!
触ると、ふわっと舞うようなくらいの軽やかさで、まさに「羽衣」という表現がぴったり。

【なぜ、あけずば織を?】
「最高の質感て空気かもなって思ったの」とおっしゃる先生。「目に見えないものが大切」と続けられるその語り口に、なんとも深い優しさを感じました。空気を表現してみたい、そこからの挑戦だったのですね。

でも、先生の口ぶりは挑戦と言った趣はみじんもなく、自然に流れのままに織ってきたんだ、という感じ。それはこの細い糸との出会いがあったからこそ、なんですね。

色も白が好きだし、素材がとても大切。先生を表している言葉だと思いました。時々深い赤もやってみたい!なんて欲求に駆られることもあるけれど!とチャーミングに笑う先生。
最初から3デニールへの挑戦といったわけではなく、27デニール⇒10デニール⇒そして3デニールへ。。。と徐々に細くなっていった結果なのだそう。

“あけずば”という言葉は、古くから伝わる琉球舞踊の唄の中にも登場する言葉。琉球舞踊の唄の中では「愛しいあの方に、とんぼの羽のように薄い薄い着物を織って差し上げたい」と唄われているのだそう。

上原先生が、古い沖縄の言葉で歌って下さったのですが、全然わからなかった〜〜笑。

つづく

 

あこや

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