沖縄への旅☆琉球の織物を訪ねて☆宮古上布 仲宗根みちこ先生~その⑱~ Discover the okinawa weaving

さて、今回の旅も終わりに近づいてきました。
最後にお邪魔したのは、宮古島在住の染織家、仲宗根みちこ先生の工房。

工房の近くに咲いていた桜。3月初旬だというのに綺麗に咲いていました。
仲宗根先生のお写真が撮れなかったので、宮古新聞のサイトに掲載されていた写真を拝借します。

とーってもチャーミングな仲宗根先生。お話をしていると、作品づくりに対する姿勢や物事に対する考え方から、芯の通ったご自分の意思や価値観をお持ちの素晴らしい作り手の方だな、という印象をうけました。

【仲宗根みちこ先生ってどんな人?】
宮古島出身のご両親の元に生まれ石垣島で育った仲宗根先生。染織へ入るきっかけは、本島にある沖縄県伝統工芸指導所で6ヶ月、その後、約3年間絣や組織織を学んだ後、宮古島へ移住。工房を構えられ以来30年あまり宮古の地で宮古上布を織り続けている作家さんです。

首里で織物を学ばれたというベースがあるので、平織り以外(宮古上布は基本平織り)に、花織、綾織、ロートン織などの組組織も得意とされています。モダンで洗練された作風で、宮古上布に新たな風を吹かせた作家さんです。

お邪魔した先生の工房は、綺麗に片付いていて2台の機が置いてありました。これまで仲宗根先生含めて4名の作家さんを訪問したわけですが、どこの工房も塵ひとつない、綺麗に片付けられた空間に機が置いてあるというのは共通していることですね。

これは、先生の宝もの。宮古上布を織るための苧麻糸棚。

たくさんの糸がぎっしり入っていますが、先生はこの糸のことを熱く語ってくださいまいた。この旅記録でも何度も繰り返していますが、宮古上布は、糸があってなんぼなんです。糸の確保が、ある意味作家の生命線なんですね。もちろん、組合に所属している作家や織り子さんは、組合にあつまる苧麻糸を分けてもらえる権利があるのですが、仲宗根先生は、ご自分で苧麻の糸を作ってくれるネットワークを育みながら作家活動をされてきました。

見て下さい。ちょっとぶれちゃっていてわかりにくいのですが、向かって右が細い苧麻糸。左側が太い苧麻糸。

仲宗根先生は、苧麻を績む近所のおばあたちの糸が、どんなに太くなろうが一生買い続けるんだ、とおっしゃいます。おばあたちは年齢が上がれば作る糸は節ばり、太くなる。それは仕方がないこと。

でもそこも全部買い取るんだそうです。その安心感と信頼感がなければ、糸を安定的に調達できないから。それが、おばあたちへの感謝の気持ち、なんだそうです。

これは全て太めの苧麻糸ですが、この太さだと着尺は着心地が悪くなって無理なんだとか。だから、帯にしたり、帯の中でもよりざっくりとした趣のあるものを検討したりと、糸から何を作ろうか、と発想し糸を大切にしながら作品を作っているんだそうです。

【織る工程】
まずは、方眼紙にデザインをおこしていきます。例えば帯の場合、お太鼓を作った状態の絵を想定して=タレの部分のデザインも合わせて考えて、方向性を決めていきます。

また、年間にそうたくさんは織れないので、今年のコレクションはこういうテーマで行こう!という風に毎年テーマカラーであったり、その時のマイブームを注入した作品群を作るようにしていらっしゃるんだそうです。

これまで制作した作品は、全て端切れをクリッピングし、ないものは絵で描いて、染料の比率など細かくデータを取り蓄積しているのよ、とそのノートを見せて下さいました。

これがまたすごい!!こういう部分てすごく性格が出ると思うのですが、緻密で丁寧、きちっとした方なんだな、というのが本当に見て取れました。

こちらは、唯一写真を撮らせて頂けた宮古上布。格子の中に十字絣が織り出されています。間近で見ると、本当に美しくて感動しました。

仲宗根先生も実はきものが大好き!なのだそう!

自分がきものを着るようになって、着る人の立場でモノづくりを考えるようになったと言います。これは非常に大きな変化だったそうです。

意外に、染織家の先生方で織るけど自分はきものを着ない、という方もいらっしゃるんですって。
更に、先生が作品を作る際に大いに検討を重ねるのが、「色使い」。色からの印象って確かにものすごく大きいですよね。「配色」がとにかく重要!最近では、色の大切さに改めて気づいたといい、1色使いでなく、多色にしていきたい、と語ります。最低3色は欲しい!4色のバランスにもトライして、作品が徐々に変化しているんだそうです。

進化し続ける仲宗根みちこ先生。生産される反物の数は少ないので、なかなか現物にお目にかかることがないかもしれませんが、東京の青山八木さんでは、仲宗根先生の帯を扱っていらっしゃいます。

仲宗根先生、お忙しい中、たくさんお話を聞かせて頂き、本当にありがとうございました。先生の染織に対する愛情をひしひしと感じた数時間でした。幸せでした~☆



最後に、伊良部大橋をドライブして伊良部島まで渡ってとんぼ返り!空港へ向かい帰路へ!



宮古空港には、全て貝殻で作られたシーサーが。1泊2日の弾丸沖縄への旅。大充実の2日間でした。今回、時間を作って下さった先生方、本当にありがとうございます☆

帰りの飛行機は爆睡でした。w

以上、長い長い沖縄旅行記にお付き合いいただきまして、ありがとうございました☆

 

あこや

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