沖縄への旅☆琉球の織物を訪ねて☆宮古織物事業協同組合~その⑭~ Discover the okinawa weaving

【宮古上布の制作工程 続き】
デザインが終わると染めの工程に入ります。

③染め:藍染め、その他の植物染め

宮古の主な染料植物は、青色系の琉球藍・蓼藍・インド藍、茶色系の車輪梅・木麻着・月桃、黄色系の福木・想思樹、赤色系の紅花などです。組合でも藍染めと草木染め、それぞれ専用の作業部屋がありましたよね。藍染めの部屋は、独特な香りがしました。

宮古上布と言えば、あの深い海のような美しい濃いブルー。宮古上布の藍染めは、色に深みをだすために琉球藍と蓼藍をへと併用する「合わせ藍建て」に特徴があります。大きなポリバケツに藍を建て、その中に糸を浸けていきます。染める回数で多彩な藍色に染まります。

④織りの準備

織りの準備では、絣部分を括っていた木綿糸を外し、機に糸をかけていく準備をしていきます。織物は、この織り出すまでの準備がメイン。経糸、緯糸、それぞれに準備を進めていきます。

⑤織り

ここでの特徴は、糊つけ。糸の毛羽を丁寧にカットし、糊つけします。ブラシをかけて糸をさばき、仕上げに豚油(ラード)を手のひらに取り全体にのばします。上布を織る時に使う糊は、現在は主に化学糊を使用していますが、古くは芋と粟がらを混ぜたものを使用していたそう。使用する油は、以前は豚の脂を溶かして使っていたらしいのですが、現在は市販のラードが使われているんですね。

豚の脂、、、という所が沖縄っぽくないですか!?(笑)

織る際は、乾燥すると糸が切れやすいので糸を湿らせながら織ります。雨の日は織りやすく空気が乾燥すると織りにくいんだそうです。そして、大変に難儀な作業と私が思ったのが、絣合わせ。

上の図でいう柄だしです。綺麗にかすり模様が出るように、針先で一本一本すくって絣合わせをするのですが、「織って絣あわせをする」「ある程度織り進んだら糊つけをする」という工程を繰り返して織っていきます。一反を織り上げるのに早い人で3ヶ月から4ヶ月!!!かかります。

年間、数が作れないのは、こうした手間のかかる膨大な作業をしながら織っていくわけですから、仕方がないのかもしれませんね。

⑥仕上げ(洗濯・砧打ち)

いよいよ仕上げです。宮古では、仕上げ加工のことを洗濯というそうです。織り上がった宮古上布の反物は、撚りも掛かっており、また織る時につけていた糊や豚の油、その他の汚れも付着していてごわごわしています。これらを取り除くために洗濯加工がされます。

煮込み:沸騰したお湯の中に15分~30分煮込みます。
踏み洗い:煮込んだお湯が冷めたら、踏み洗いを繰り返します。これを数回繰り返すとごわごわしていた布が柔らかくなります。
仮砧打ち:規格の長さ、幅になるよう調整しながら木槌(アイトゥー)で検査前の仮砧打ちをします。
糊つけ:検査終了後、検査・補修の際に着いた汚れを落としてから、芋葛糊に浸して糊つけをします。
砧打ち:反物が完全に乾く前に幅出しをし重しをしてしばらく置きます。布が安定したら、仕上げの砧打をします。

さて、この最後の最後に施される砧打ち。この工程で全てが決まる、というほど大事な工程なんです。組合見学では、まさに、その砧打ちの作業をしていらっしゃる所に遭遇!感動してしまいました。

この方が砧打ちの専門の職人さんです。迫力!

では、砧打ちをご覧いただきましょう!

みなさん、良い音でしょう??美しい響き!

単に木槌で叩いているように見えるかもしれませんが、一定の力でまんべんなく、隅々まで叩いていくわけです。これを一反分叩いていくのも大変!砧打ちをすることで、布自体を柔らかく、そして光沢を出す。すべてはこの工程のさじ加減!

これは、砧打ちの作業が終わって、ピロティにでたところで、反物を広げて幅の調整などを行っているところです。

そして、職人さんの首には、クリップが両端についた紐が。
これを反物の端に引っ掛け、何をするのかというと、、、

脇に抱えていた棒に反物を綺麗にまきつけていく作業をするところなんです!



こうやってやるのかー!!
貴重な場面を拝見することができ、大興奮でした☆

つづく

 

あこや

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