きもの美 白州正子

聡明で、知的で趣味もよく、誰にも媚びず自分らしく昭和を生き抜き、
時代のカリスマとして語り継がれている白州正子。

彼女は現代の人たちをも魅了し続け、亡くなった今も大きな存在感を放っています。
和楽の最新号も白州正子特集なんですね。表紙を書店で見かけましたが、なんとも印象的な目と
彼女の生き様が感じられる顔つき、とても美しいポートレートだと思いました。

私自身は、食わず嫌いといいますか、なんだか先入観が偏見となり、年齢的なものもあるのでしょうか。白州正子を知りたいと特に強い興味を持ったことはこれまでなかったのですが、彼女の著書「きもの美」をきっかけに、私のこれまでの勝手なる白州正子像が大きく変わりました。

きもの美は、白州正子のきものへの愛に溢れた一冊で、きものが好きなわたしたちへの愛も感じる随筆です。正子がきもの好きになるまでのプロセスが等身大で描かれ、これまで遠い存在だと感じていた正子を身近に思う内容でした。

とりわけ印象的だったのは、正子の母、樺山伯爵夫人に出入りしていた
福田屋千吉という呉服店との長い長いお付き合い。樺山家と白州家のきもの番頭とでもいいましょうか、こうした出入りの呉服屋に教えてもらったことが山ほどあったと、正子は書いています。

また、時代は柳宗悦の民藝運動全盛期。私はこの民藝運動盛んなころの文化全般にわたる
茶色い(あくまでもイメージです)テイストがあまり好きではないのですが、正子が商いをしていた銀座の「こうげい」が賑やかだったのもこの頃。

商売を軌道に乗せるまで、たくさんの問屋や全国各地の生産者に多くのことを学び、
「自分らしいきもの」を確立していった正子。

私も、「こうげい」に行って、きもののいろはを教えてもらいながら、自分に似合う一揃えを誂えてみたかったな、と強く強く思いました。

正子のように、「私の好きなきもの」が確立し、どんな時も自分らしくきものを楽しめる日が来るのか。。。!

この1冊をきっかけに、彼女のたくさんの随筆に触れる機会が今後一気に増えそうです☆

あこや

 

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