注染工場見学へ~その④~ tour of a dying factory for Yukata and Tenugui

次はいよいよ注染のハイライト。注ぎ染めの工程に入ります。
ここは、注ぎ染めを行う工場です。広いですね〜。空間に注染の作業場がびっしり並びます。

関東では紺屋(こうや)と呼ばれ、関西では壷人(つぼんど)と呼ばれるそうです。ここでの作業は、まず、捨て布とおがくずで保護された観音折の反物を染台のスノコに乗せます。

上の写真は、スノコの上に乗せた反物の周辺を染料がはみ出ないように糊で土手を作っている所です。

スノコの周辺には木を置いて染料の溢れを防ぐ堤防とし、更にゴムや厚手のビニールシートで囲い、生地とスノコを密着させて吸引力を高める様にセットします。
次に、じょうろやヤカンで染料を降り注いで行きます。

勢いよくどぼどぼどぼー!
この瞬間、「注染」という言葉の意味がよーく理解できました。本当に注いで染めているんだ!

このドボドボッと注いだ染料はどうなるかというと、足下にあるペダルを踏んで布に浸透した染料を吸い落とすんですね。
ほらっ!

ペダルを踏むと、みるみる染料が無くなって行きます。染台のペダルは、電動コンプレッサと連動しており、生地と糊の重なりの間に染料を染み込ませて行きます。

片面を終えたら反物をひっくり返し、同じ手順で裏側も染めます。

この手順を何度も繰り返し、染め終わった反物がこちら。

綺麗に藍色のトンボ柄が染まっていますね!
観音ただみになっている生地を1枚めくると、2枚目にもくっきり!そして、1枚目の裏地もばっちり染まっていますね。

美しいです!
さて、次はこちら。

職人さんが目の前にある反物を見ながら、色を差し分けて行きます。絞り袋を使って布の表裏上面に糊の土手を作り、じょうろを巧みに操りながら染料を注ぐ技法で色の染め分けが可能です。

見本の通りに、花の模様に青い染料をじょうろで注いでいますね。
染料を注いだ後は、さきほどのトンボの反物と同様に、足下にあるペダルを踏んで染料を落として染めて行きます。

ペダルを踏むと、コンプレッサが動き、染料がこのように反物を通って、染台の下から排出されます。

注染の仕組みがよくわかりました。

 

あこや

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