染織文化講座「型紙で小紋を染める」~その③~

染色し、1時間程反物を木くずの中で寝かせた後は、蒸しにはいります。

【蒸し】

これが、今回お世話になった蒸し機です。

この蒸し機に反物を入れて、18分間80度で、そのあと13分間90度にして蒸し上げます。
温度調節は重要で、蒸しすぎても色が抜け過ぎてしまうことがあるそうです。

蒸し機に反物を入れる際には、この枠に反物を引っ掛け、この枠ごと蒸し器に入れます。

枠にはこうした釘の様なものが出ていて、反物の端を引っ掛けていきます。

蛇腹状に反物を引っ掛けます。

セットできたら、いよいよ蒸し機へ。

約20分強、蒸していきます。

 

【洗い】
蒸し上がったら、反物を枠から外して洗います。

たっぷりの水で豪快に洗っていきます。この方は五月女さんの息子さん。将来のこの工場を背負って行く方ですね。

これ、全て井戸水だそうです。冬は冷たいですね~(><)

ちなみに、この水槽の上を囲むようにしてある機械は自動洗い機だそうです。反物の素材や柄付けによっては、機械で洗うそうなのですが、今回は絹で柄も細かいので手洗いなのだそうです。

たっぷりの井戸水で洗った後は、シルクソープと呼ばれる洗剤が入った水槽に反物を入れ洗います。

私も、洗いに挑戦です!洗いのコツは、水面近くで大きく水の中で反物を揺らしながら余分な染料や汚れを落としていきます。

絹用の洗剤がなかった時代には、何度も何度も井戸水だけで洗い続けたそうです。時間もかかり、冷たい水の中でひたすら洗い続ける作業は、それは大変だったそうです。

10−15分くらいでしょうか、しっかり洗剤で洗い、脱水の後、乾燥させます。

見て下さい!この脱水機、ネンキが入っていますね。釜のような脱水機の内側に反物を設置しスイッチオン。

脱水機をまわすと、遠心力で水が下からどんどん出てきます。

【乾燥】
脱水した反物は、2階の乾燥室へ!

温風が吹く部屋の中、反物を竿にかけ乾燥させます。

ここまでくると、ほぼ最終的な色味がイメージできます。

乾燥した反物がこちら!どうでしょう??

綺麗に蝶蝶がピンク色に染まりました!地色と目色を選んだ時の切れ端からはこの色はやっぱり想像できていませんでした。(笑)なかなか想像力が必要ですね。でも、割と綺麗にし上がったかな☆

ここから湯のしをすれば、完成です!!完成品は、また、紹介しますね!
今回は、なかなかの達成感でした。

本で読むだけではなかなか頭に入ってこなかった型染めの工程もこうして携わらせていただくとよく理解できます。私たちど素人が工場に入って作業するなんて、職人の皆さんにしたら本当に足手まとい、ご迷惑だったことと思います。本当に五月女工場の皆さま、お世話になりました!

 

あこや

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