染織文化講座「唐桟織見学と長板中形染体験」~その⑤~ 長板中形染め体験 Nagaitachugata by Nobuo Matsubara
長板中形という染織技法は、江戸の浴衣作りに用いられた技法で、中形とは紋様の大きさのことを指します。小紋よりも大きく、大紋よりも小さいために中形といわれたのが最初だそうです。
型紙が生みだす粋な文様、長板で型付けし、藍一色で染めた柄が江戸前浴衣にはぴったりきたのでしょう。現在では、この手法を用いた浴衣は、大変な手間がかかるため稀になりましたが、松原先生はそんな技法を受け継ぐ染色家なのです。
さて、いよいよ長板中形染め体験へ!
先生の工房の1階にある長板が何本も置かれた場所をお借りして、染させていただきます。
長板中形は、白生地を藍で染める技法です。伊勢型紙を白生地の上に置き、糊をヘラでつけます。型紙の紙の部分には糊がつかないので白生地が残り、型紙に掘られた穴の部分の生地には糊が付きます。これを藍で染めると、白生地の部分が染まり、糊づけした模様部分だけが白く美しく残る、というわけです。
ただし、藍染は、生地を丸ごと藍甕に浸けて染めるため、表だけでなく裏面にも型付けが必要。この部分が、職人技が必要とされる難易度が高い技術なのです。
我々には、とっても無理な作業なので、今回染めるのはこちら!こちらに片面だけ染めて行きます☆
まずは、ヘラで型紙の上に置いていく糊を作っているところ。
糊の原材料は、糠・もち米の粉・石灰・水。それを練って作るのですが、型紙の柄や細かさに応じて混ぜる割合や練り方が異なるそうです。実は非常に大切な工程だそうです。
こちらが練り終わった糊!
選んだ型紙のサイドに使う分量だけ糊を乗せ、いよいよ糊置き作業です!
沢山ある型紙の中から、私は、松と観世水を選びました。
こちらがこの日使わせていただいたヘラ。持ち方を教授中。この30度くらいの角度を保ちながら糊を置いていくんだそうです。以前、墨田区の工房で小紋を染めさせていただいた時に使っていたものとはまた違いますね。
糊をところどころに置き、
横にすっとヘラを動かし、糊を乗せて行きます。
先生のお手本をじっくり見つつ、いよいよ~!
作業開始!
Let’s start Nagaitachugata tour!
The 1st corner is “norioki” which is putting paste on a paper pattern with a special spatula in order to dye in a different colour white or indigo. Paste is made by bran, mochi-rice, lime and water and Mr Matsubara uses a several type of paste suiting for each textile and patterns.
あこや
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