京絞り寺田 草木染のきものと帯展Ⅱ〜その④〜 Kyoshibori Terada exhibition

色の重ね染(交染)

延喜式には、どの染料植物でどの色が生まれるという規定に加え、どの色とどの色とを重ねるとこの色になる、という重ね染についても触れられています。

例えば、前回のブログで触れた10種の色の中で②蘇芳と⑨櫨を重ねると黄櫨(こうろ)と呼ばれる上品な茶色が生まれます。

この2色の配合具合により、淡い茶色から深蘇芳といった色も生まれてくるのです。この黄櫨は、天皇の色とされ、当時から禁色=天皇以外使用できない色、とされてきました。

それは、現代でも見る事が出来ます。これは、現在の今生天皇が天皇に即位された時のお写真。このときお召しになっている装束の色が黄櫨になります。

次は、こちらの色。①紅花と⑤支子(くちなし)を重ねあわせると、黄丹(おうに)という鮮やかなオレンジのような色が生まれます。これは、皇太子の色とされ、こちらも禁色でした。

これは、現在の皇太子殿下が皇太子になられた時の装束です。

天皇の禁色である黄櫨の装束、来年の即位の礼で見られる事になるでしょう。

 

蛍光を発する植物染料

先述した通り、下山先生の画期的な三次元蛍光スペクトル分析法は、植物染料が発する蛍光特性をキャッチし分析する事で、一体どんな染料が使われているのかを特定する技術です。先生は、植物染料の蛍光指紋情報をとっているのです。

染織物から三次元蛍光スペクトルを測定し、その投稿線図を描けば使用された植物染料の指紋情報が得られるとし、このような等高線図を解析します。

こうして得られた指紋情報を手がかりに、先生は時が経ちどうやって染められたのかがわからない古代の布を解明していかれているんですね!

次回は、先生が手掛けたCHANELの口紅のお話です♪

つづく

 

あこや

Leave a Reply

CAPTCHA