美の饗宴2015 能「菊慈童」梅若玄祥×マチュー・ガニオ(パリ オペラ座)at 国立能楽堂

久しぶりの国立能楽堂に来ました。

美の響宴2015と題し、能×バレエという一夜限りの演目が上演されました。

能楽シテ方観世流の梅若六郎玄祥氏と

パリ・オペラ座バレエ団のエトワール マチュー・ガニオ氏との

コラボレーションということで、
能楽堂にはたくさんのお客様がいらっしゃっていました。

マチュー氏といえば、パリ・オペラ座きっての美男子と知られる人気エトワール。
今回は、マチュー氏の妹であり、同じくパリ・オペラ座でスジェであるマリーヌ・ガニオ氏も出演、一体どんな舞台になるのか楽しみにしていました。

90分の構成は、前半が能「菊慈童」とマリーヌ氏による「眠れる森の美女」からヴァリエーション、後半は「タイス瞑想曲」と「クリティカルゾーン~臨界地帯~」でした。

タイス瞑想曲は、20世紀を代表する振付家ローラン・プティが当時芸術監督を務めていた国立マルセイユ・バレエ団のプリマ、ドミニク・カルフーニ(マチュー氏の母)のために作り上げた全2幕のバレエで、第2幕で踊られるこの曲は珠玉のパ・ドゥ・ドゥと言われているそうです。

今回は、マチュー氏とマリーヌ氏によるパ・ドゥ・ドゥと、その後、マチュー氏と玄祥氏による同曲でのコラボレーション、その後、マチュー氏のソロによる「臨界地帯」と続きました。
なんともなんとも不思議な世界でした。

基本的には能の演目とバレエの演目が交互にそれぞれ演じられていたのですが、バレエが能舞台で行われているという異空間、玄祥氏の存在感・重厚感、マチュー氏の完璧な肉体美、圧倒的な身体能力、能装束のきらびやかさ、舞台と客席の距離感が近いということもあり贅沢な空間でした。

きもの好きとしては、能装束の素晴らしさに感激!美しかった!!

玄祥氏とマチュー氏の共演では、マチュー氏が玄祥氏の動きと同様に舞う場面があり、異質なものが同じ空間で出会う、まるで、はじめて日本人が西洋人に出会った場面を客観的に見ている様な、不思議な感覚を体験しました。コラボレーションという言葉が表すような「融合感」ではなく、そこに異なる二者が対峙する瞬間を息を吞んで見ているという数分感でした。

舞台が始まる前に、フランスで起こったテロ事件に対し、マチュー氏が舞台に登場し皆で黙祷もしました。

大好きなParis、フランスの方々に心落ち着く日々が一日も早く戻りますように。
美しさ溢れる90分でした!!

 

あこや

Leave a Reply

CAPTCHA