立春の京都旅その⑦~志村ふくみ–源泉をたどる展 at 大山崎山荘美術館 ~

志村ふくみさんの作品が一通り展示された次は、セクションⅢ「出会い~志村ふくみを支えた民藝の名匠たち~」と題し、この美術館所蔵のものを含め、民藝運動に関わった作家たちの作品が並びました。

そして、今回私が一番面白かったなと感じた最後のセクション。
【セクションⅣ】色~創作の源~

これ、わかりますか?

図録を写真で撮ったので見にくいと思うのですが、志村ふくみさんが植物から染めた糸です。
カラーバーのような色のグラデーション。光沢があって美しい糸たち。この糸であの美しいきものや帯が織られるのですね。植物でこんなに鮮やかな色が染め出せるのか、と本当に驚きました。

そしてこれが、織物の残り裂を貼り集めた裂帖。

体調を崩していたころ、これまで織った織物の残り裂をひたすら貼る作業を繰り返したそうです。
これだけ見ていても、様々なパターン、色があり、見応えがあります。

このカバーも織物。

ある種彼女の作品集とも言える小裂帖。表現の多様さが感じられます。
今回、偶然にも京都の旅と日程が重なったことで見ることが出来た志村ふくみ作品。

彼女の才能を早い時期から見いだしていた染色家の芹沢銈介に放ったと言われる言葉。
「植物染料と平織を一生やります」

彼女はその制作姿勢を今もなお貫いています。

植物がもたらす色と平織という一見シンプルな組み合せで生み出される多様な織物。一度にこれだけの作品が見られる良い機会ですので、ぜひ、皆さん足をお運びください。

「志村ふくみ~源泉をたどる」
場所:アサヒビール大山崎山荘美術館
会期:3月17日まで

 

あこや

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