美智子皇后陛下 傘寿のお祝い 大切にされる小石丸

美智子皇后陛下の傘寿のお祝いに際した特別番組が放映されました。

美智子様、傘寿おめでとうございます。

その中でかなりの時間を割いて紹介されていたのが、代々の皇后陛下が受け継がれている御所内でのご養蚕。

こちらは、御所内にある紅葉山御養蚕所。築100年にもなる建築物だそうです。
※テレビ画面を撮ったので画像が悪いのはお許しください。

宮中でのご養蚕は、初夏に行われるご養蚕の儀式からスタート。繭が取れるまでの約2ヶ月間のご養蚕が始まります。

美智子様のお歌。

美智子様が特に大事にされている小石丸という日本古来からの純産種をご存知でしょうか。
小石丸から採れる大変に繊細な絹糸が,古代裂の復元に不可欠なものであることが明らかになり、正倉院宝物の復元や貴重な文化財の修理に用いられたことでご存知の方も多いかもしれません。

先日の伊勢神宮の遷宮で一新される宝物の中にも美智子様の小石丸でないと復元できないということで使用され織られたものがあると聞いたことがあります。

しかし、小石丸は、育てるのにも非常に手間がかかり、繭玉が小さいことから量産向きではないとされ、時代とともに、扱う養蚕農家が減ってきたという現状があります。

紅葉山御養蚕所でも、かつて、養蚕対象から外すことが検討されたそうですが、
美智子様の日本純産種ですから、もうしばらく育ててみましょう、というご決断により、現在も大切に育てられています。
日本純産種を残そうということは、その伝統的な養蚕技術の伝統を受け継いでいくということ。
美智子様は、そうした観点からも小石丸を大切に育てていらっしゃいます。

蚕のお部屋を作ります。萱まぶしというそうです。
それぞれのお部屋に蚕が入り、繭を作っていきます。

こうして体の周りに繭が出来ていくんですね。

一つ一つのお部屋で美しく繭が作られていきます。

徐々に、小石丸特有の愛らしい瓢箪型の繭玉が見えてきました。

8代目の紅葉山御養蚕所の主任の方や職員の方々とともに、ご養蚕作業をされる美智子様。

御所の繭玉は、こちらの研究所に全て送られ、生糸となります。

これが小石丸の生糸です。
この画像ではわかりにくいのですが、私も1度だけ小石丸の生糸を見たことがありますが、
輝きが本当に美しかった印象があります。

こうして出来上がった生糸は、再び紅葉山御養蚕所に戻され、儀式を経て、加工されます。

京都の龍村美術織物。

こちらでは、皇居からの依頼で、美智子様の小石丸で織った織物があります。

それがこの絹五巻だそうです。

稲穂の柄を織り出してほしい、というお申し出から、このような織物が生まれたそうです。

金糸で美しくたなびく稲穂を織りなし、ピンク色で染め上げたものだそうです。

小石丸で織られた織物は、雅子様のお嫁入りの際に贈られたり、秋篠宮様の悠仁さまがお生まれになった際の産着として使用されたり、時には、海外へ訪問する際のシルクの贈物などにされているそうです。

美しいきものの秋冬号の別冊に、皇室の着物が特集されていますが、その中で美智子様から眞子様に宛てた手紙が紹介されています。
「ばあばは蚕が桑の葉を食べている音がとてもすきです。」と、紅葉山御養蚕所をよく訪れた眞子様に宛てて書かれています。

蚕を愛でるように慈しみご養蚕をしていらっしゃる美智子様の姿が読み取れる素敵なエピソードに思えました。

なぜ美智子様はこんなにもご養蚕を大切にしているのかと考えると、それは、ご養蚕が古い時代から代々受け継がれている伝統だからに他ならないのではないか、と思います。
皇室、宮中というところは、まさに継承の歴史。これからも脈々と後世に伝統を受け継いでいくのである、という美智子様の強い意志を感じます。

美智子様は近年、お着物での公務が非常に多くなられた気がしていました。それは、日本の絹織物の素晴らしさを私たちに伝える一つの作業ではないのかな、と番組でのご養蚕の様子を見、思いました。

美智子様の姿に、日本の美しさが継承されて欲しいと切に願い、私もきものを愛することでその一端を担えたら、、、なんていうことを思ったりいたしました☆

 

あこや

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