沖縄への旅☆琉球の織物を訪ねて☆宮古織物事業協同組合~その⑫~ Discover the okinawa weaving

今回の組合見学では、組合で織り子として宮古上布を織っていらっしゃる方とのご縁を頂き、センター内をご案内いただくという幸運!彼女は、東京からご夫婦で宮古島に移住してきて、宮古上布の織り子として活躍されているんです!すごい!

さて、伝統工芸センターの中は一体どういう風になっているのかと言うと、、、

入り口に置いてある地図で解説します。左下の赤字で書いてあるのが入り口。すぐ右手に重要無形文化財である宮古上布が展示されている工芸品展示コーナーが。入り口からまっすぐのびる廊下の両脇には、それぞれ職人さんたちが使う作業部屋などが続き、突き当たりを右手に行くと、実際に織り子さんたちが機を織っているスペースへと続きます。

こう見ても、広くて立派な施設でしょう?
さて、順番に見ていきます。まず、入り口入って右側の展示スペース。

こちらは、かつて宮古上布が織られていた古い機だそうです。年期が入っていますね〜。全国の織物づくりを支援する組合ではどこも新しい技術者の養成に躍起になっていると思いますが、宮古上布も同様で、組合が織り子さんを公募し技術の養成支援を行っています。
新たに織り子になる方達も自宅に機を持つ場合、機自体をもう新しく作っている所もないため、こうした現在は使わなくなったものなどを先輩方から譲ってもらい使っているんだそうです。
確かに、こういう機ってどこで誰が作ってるんだろう。。。
前日に訪れた山口先生のところで使っている機は、鹿児島で作ってもらったと先生がおっしゃっていました。まだ職人さんもいらしゃるのかな。
こちらは、チガヤという籠。宮古島自生の植物チガヤや月桃、アダナス(アダンの根)を使って作られたもので、苧麻績み(ちょまうみ)された撚り繋がれた苧麻糸を入れておく籠として使われていました。苧麻績みのことを沖縄の方言では、ぶー、といいます。可愛い。
これ、ちょっと素敵でしょう?伝統工芸センターの方に、この籠を売っている所があるよ、と教えてもらって足を運んだのですが、夕方16時でもう閉まってた!16時で閉まっちゃうのか。。。と東京と同じ感覚ではいかんな、と思いましたね。w
こんな風に、ガラスケースに宮古上布の着尺や帯なども展示されています。
では廊下を進んでいきます。最初に左手に見えてくるのがこちら。
大きな字で、「沖縄県宮古上布検査所」とあります。なんだか、重々しい雰囲気を放っていますね(笑)
文字通り、織られた宮古上布がここに持ち込まれ、かなりの厳しいチェックを受けるそうです。素材、染め、織り密度、組成などの織りの状態や絣の模様が合っているか、糸が切れていないかなどを調べます。ここで認定されたものだけが、合格品として証書が貼られ宮古上布として東京などのきもの屋さんへ送られていきます。
こういった検査は、伝統工芸品の認定などを受けている織物の事業組合がそれぞれに行っていて、技術の維持、品質の保証という機能を果たしています。
こちらは、草木・染色室。
上のお部屋とは別に、藍染めに関しては、別に部屋がありました。
中は、大きなポリバケツが置かれていて、その中に琉球藍・蓼藍(たであい)などの藍染めの染料がはいっていました。
ここで、あの宮古上布の藍色が染められるんですね。
藍染め室の隣にあるのが洗濯室。
今回、こちらで非常に貴重な作業をされている所に遭遇しました。
詳しくは後ほど。
そうした部屋を通り過ぎると、大きな窓越しにひろがっているピロティの脇に苧麻畑がありました。
これは、まだまだ背が小さいのですが、葉の形は、紫蘇の様な感じ。これが150センチくらいまでグーンと大きくなって、収穫され、宮古上布を織るのに欠かせない、苧麻糸の原料となるのです。
次は、具体的に宮古上布が出来ていく工程を追っていきましょう!
つづく
あこや

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