沖縄への旅☆琉球の織物を訪ねて☆染織家 山口良子先生~その③~ Discover the okinawa weaving

沖縄、那覇に到着して初日。レンタカーを飛ばして、まず最初にお邪魔したのがこちら。染織家 山口良子先生の工房です!



※機織りに座られ作業をされる山口先生とご一緒に♪

グレーのイッセイミヤケのプリーツプリーツを着た山口先生。素敵!!工房にお邪魔するなりお優しい笑顔で迎えて下さり、もう感激でした!!!

飛行機の到着が遅れてしまい、予定より30分も遅刻してしまったので本当に申し訳なかったです(><)

【山口良子先生ってどんな人?】
山口良子先生は、首里織の人間国宝である宮平初子氏や染織家 柳悦孝作氏に師事し、首里織の作家として活動されています。

かつては那覇伝統織物事業協同組合の理事長としても、首里織の発展に尽力されておられました。織りの完成度と美しさは首里織ナンバーワン!ともいわれる実力の持ち主。技術力もさることながら、色の配色のセンスも人気の理由です。

先生の工房は、整然と機織りが4台並び、工房のスタッフのみなさんがガタンガタンと美しい音を響かせ織っておられました。

機には、まさに今先生やスタッフの皆さんが織られている仕掛かり案件♪が!ああ、大興奮!

前回のブログでもご紹介しましたが、首里織といえば、紋織から絣に至るまで多彩に織られるのがその特徴。その中でも、花倉織や道屯織(どうとんおり、ロートン織りともいう)は王家、貴族専用とされ、首里でしか織られませんでした。つまり、元来、格調高い織物ということです。

山口先生の作品を拝見すると、かつての琉球王国の貴族たちが身にまとったものなのね!ということが納得の美しさで、当時の物語を思い巡らせ妄想が止まらなくなるほど(笑)。それほど上品で美しいのです。今回、先生の工房で、作品をまじまじと拝見してアドレナリンが出まくりましたね。(笑)久々に心奪われました。

先生はまず、私に花倉織を織っている所を見せて下さいました。

首里花倉織は首里織のひとつで、沖縄の織物のうち最も格調が高い織物とされ、琉球王国の王妃、王女が着た夏衣。その基本的な柄は、花織と絽織、紗織を市松、または菱形模様に織るもので、先染めの紋織り物です。(先染めというのは糸を染めてから織る織物)

これは組合のHPから拝借したものですが、こちらがいわゆる首里花倉織といわれる織物です。

さて、先生の機にかかっているのは、見るからに細か〜い!文様が織り出されていますね。

「最近は2ヶ月くらい織るのにかかるのよ〜」とおっしゃられる先生。織りの細かさ、繊細さから

大変な作業であることが伝わってきます。

見えるでしょうか?横に段が入っているように見える所が絽織の部分で透けて見えるように織られているのです。

先生方は、織る前にあらかじめ方眼紙にどういった柄にするか設計図を細かく原寸で書いていきます。その設計図通りに織り続けていかなければならないので、段を飛ばしてしまったりしないように、注意深く織りすすめていくことが求められます。

ですから、少しずつ織っては、こうして柄の幅のサイズの確認をしていきます。

これは、先生お手製の紙ものさし。機にポケットを作ってすぐ取れるように利き手側に挿してありました。ひゃー緻密な作業です!

理路整然とまっすぐに美しく柄が織り出されています。

すると先生が、「こっちから見てご覧なさい。」とおっしゃられるので、機から離れて見てみると、、、

えええ!?

見て下さい。見る角度で全く表情が違う。皆さんわかりますか??

何がそうさせるのか。先生は続いて「よろけて見えるでしょう?まっすぐに織っていたと思っただろうけど、ここから見ると斜めにゆらゆらとした線が浮かび上がってくるの。これがいいでしょ?」と教えて下さいました。

すごいー!

本当にゆらゆらしてる!!

おそらく、この着尺を身にまとったとき、この揺らぎの線が非常に立体的に身体を包むことは間違いないでしょう。着たことがないからわからないですが、無地のきものでありながらも、表情豊かな立体的な作品であることは、充分わかります。

美しい〜〜!

織りでこんな表情を織ってらっしゃるんですよ、先生は!感動です。
しょっぱなから織る作業をしている所を解説いただいて感動もひとしおだったのですが、
そもそも、織物の制作過程の中で、機織りに座って織るというのは、本当に最後の最後の氷山のてっぺんの作業なんですね。

そこに至るまでの様々な準備が8割や9割を占めるともおっしゃる方もいて、山口先生の工房でも糸を染める所から機の準備、織り上がる所までを全て行うので、一反が出来上がるまでの期間は時間も労力もかなりかかるわけです。

【首里織の出来るまで】
首里織の制作工程について、組合が動画を制作していたのでご紹介したいと思います。流れがよくわかります。

私が工房で見せて頂いた織りの作業は、ほんの一部だと言うことがわかって頂けるかと思います。

つづく

 

あこや

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