【きもの探訪】勝山健史 糸へのこだわり その④ Takeshi Katsuyama : The essence of a work

蚕にご対面

※今回は沢山蚕の写真が出てくるので苦手な方は要注意ですw。※

桑畑から車を少し走らせ、勝山さんの長野の工房へ。工房では卵から蚕をかえす作業をしたり、繭から糸を引く作業をしたり、実際に織物を織る作業も行うそうです。

早速見せて頂いたプレミアム蚕ちゃんがこちら。

茶色い大きな紙の上にめちゃくちゃいっぱいいる。。。笑

グリーンに見えているのは桑の葉。むしゃむしゃむしゃー!食べてる食べてる!

葉っぱの上にグレーの小さい物体が蚕ちゃんです!

きゃー!まだ小さい!これくらいだったら可愛いと思えるかな。。。w これくらいのサイズになる前は、葉っぱを放り込んだだけでは大きすぎるので、柔らかい葉を選んで、それを刻んで与えるんだそう!本当に赤ちゃんと一緒ですね。

これは5月に孵化した蚕。春に生まれた蚕、春蚕(はるこ)です。春蚕の特徴としては、太りやすく、大きくなる蚕は吐く糸も太いのだとか。

この黒い点々は、蚕の糞です。定期的に糞もお掃除して、寝床は常に快適にしてあげているんだそうです。孵化したばかりの蚕にとっては、28°くらいの室温が保たれているのがベストで、そうでないと動かなくなりえさも食べなくなり、病気になりやすいとか。

蚕のえさには、近年では桑ゼリーという便利なものもあるそうですが、勝山さんは生の桑の葉にこだわっていらっしゃるそうです。桑をあげる期間は3週間くらいで、その後繭を作り出します。つまり、孵化してから1ヶ月くらいで繭が出来上がります。

卵からかえったばかりの蚕は、虫眼鏡で見ないとわからないくらいの大きさなんだそうですが、それがあっという間に大きくなるんですねぇ。

次にもう少し大きな蚕を見せて下さいました。

うぎゃーーー(笑)

蚕らしくなっています。先ほどのより、だいぶ大きい。1日2回のえさやりは、このクラスになると沢山食べるようになってくるので、桑畑から葉を運んでくるのも大変。なのである程度大きくなって来たら、桑畑の近くの小屋に蚕を移すんですね。

最初に見せて頂いた蚕に比べてこの蚕が白っぽいのは、蚕の品種の違いだそうです。

 

種継ぎが重要な蚕

この工房には、1000頭くらいの蚕がいますが、考えたらここの繭は全て絹糸になって行くことを考えると、1ヶ月も経てばここの蚕はいなくなっちゃう。その先はどうなるんだろう、とふと不思議に思いました。

工房では、種継ぎも大切な仕事の一つだそうで、一部の蚕は繭になったあと、成虫にし卵を生ませます。例年7月初旬頃に生まれた卵は翌年の春に孵化するように温度管理の出来る冷蔵庫で保存されるそうです。つまり、糸を作ることを目的にした養蚕ですが、蚕自体の種継ぎも考えながら卵を確保するという意味では2年くらい掛かって糸になる、というわけ。

植物の種のように長期保存は出来ませんからね。これまた大変だ〜。

 

つづく。

 

あこや

 

 

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